マイナポイントの仕組みをわかりやすく解説
マイナポイントは、マイナンバーカードの普及促進とキャッシュレス決済推進を目的として総務省が実施した施策です。最大2万円分のポイントが付与されることで多くの注目を集めましたが「どうやって申し込むの?」「どのサービスを選べばいい?」「仕組みが複雑でよくわからない」という声も多く聞かれました。本記事では、マイナポイントの仕組みを基礎からわかりやすく解説し、申込手順・サービスの選び方・注意点までを網羅的にお伝えします。
マイナポイントとは何か:制度の概要と目的
マイナポイント事業は、総務省が実施主体となり、マイナンバーカードの取得・活用を推進するために設計されたポイント付与プログラムです。マイナンバーカードを取得し、キャッシュレス決済サービスと紐付けることでポイントが付与される仕組みです。
事業の目的は主に3つあります。第一に、マイナンバーカードの普及促進(2022年時点での普及率は50%程度だったものを100%近くに引き上げる目標)。第二に、健康保険証としての利用やマイナポータルでの公金受取口座登録などのデジタル手続きの普及。第三に、キャッシュレス決済の普及と経済の活性化です。
マイナポイント第1弾・第2弾の違い
マイナポイントは2020〜2021年の「第1弾」と、2022〜2023年の「第2弾」に分けて実施されました。第1弾はキャッシュレス決済利用での最大5,000円分ポイント付与。第2弾では「健康保険証利用申請」「公金受取口座登録」の2つが追加され、合計最大2万円分(第1弾の5,000円分を含む)のポイント付与となりました。
マイナポイント最大2万円の内訳:3つのポイント
マイナポイント(第2弾)で付与されるポイントの内訳は以下の通りです。
| ポイント区分 | ポイント額 | 条件 | 申請先 |
|---|---|---|---|
| ①マイナポイント(決済チャージ) | 最大5,000円分 | 2万円のチャージ・購入で25%還元 | 選択したキャッシュレス決済 |
| ②健康保険証利用申請 | 7,500円分 | マイナンバーカードを健康保険証として利用申請 | マイナポータル等 |
| ③公金受取口座登録 | 7,500円分 | マイナポータルで公金受取口座(銀行口座)を登録 | マイナポータル |
| 合計:最大20,000円分 | 3つすべて申請・達成した場合 | ||
①決済チャージポイントの仕組み
2万円分のキャッシュレス決済チャージ(または購入)に対して25%(5,000円分)のポイントが付与されます。選択したキャッシュレス決済サービスのポイントや電子マネーとして付与されるため、サービスによって付与タイミングや利用条件が異なります。2万円を超えたチャージ・購入分にはポイントが付与されません。
②健康保険証利用申請ポイント
マイナンバーカードを健康保険証として利用するための申請(マイナ保険証)をすることで7,500円分のポイントが付与されます。申請はマイナポータル・スマートフォンアプリ・セブン銀行ATM・対応医療機関などで行えます。申請後、実際に医療機関でマイナ保険証を使用する前にポイントが付与されます。
③公金受取口座登録ポイント
マイナポータルを通じて、給付金・還付金などの公金を受け取るための銀行口座を国に登録することで7,500円分のポイントが付与されます。登録した口座は緊急給付金などの受取口座として国が把握し、迅速な給付に活用されます。
マイナポイントを申請・受け取りましたか?
- 全額受け取った
- 一部受け取った
- 申請したが未受取
- まだ申請していない
対応キャッシュレス決済サービスの種類
マイナポイントはPayPay・Suica・楽天Pay・d払い・au PAY・iD・WAON・nanaco・LINE Payなど、多数のキャッシュレス決済サービスに対応していました。選択できるサービスは一人一つであり、申請後の変更は原則としてできません。
| サービス種別 | 代表的なサービス | 付与ポイントの種類 |
|---|---|---|
| QRコード決済 | PayPay・楽天Pay・d払い・au PAY・LINE Pay | 各社ポイント・残高 |
| 交通系IC | Suica・PASMO・ICOCAなど | 電子マネー残高 |
| クレジットカード | 各種クレジットカード(VISA・Mastercard等) | 各社ポイント |
| 電子マネー | iD・WAON・nanaco・楽天Edy | 電子マネー・各社ポイント |
| デビットカード | 各銀行デビットカード | 各社ポイント |
サービス選択の重要ポイント
マイナポイントを申し込む際のサービス選択は非常に重要です。一度選択すると変更が原則できないためです。日常的によく使うサービス・すでに残高チャージを予定しているサービス・そのサービスのポイントが使いやすい環境かどうかを総合的に判断する必要があります。
マイナポイントの申込手順:マイナンバーカードが起点
マイナポイントを受け取るまでの全体の流れは以下の通りです。
(市区町村に申請)
のインストール
またはATM等
サービスを選択・
紐付け申請
2万円チャージ・
購入
(最大5,000円分)
健康保険証利用申請・公金受取口座登録のポイントは、それぞれ別途マイナポータルから申請します。スマートフォン(NFC対応)があれば、マイナポータルアプリから一括して手続きが可能です。スマートフォンがない方は、市区町村窓口・コンビニのマルチコピー機・銀行ATM(対応機種)でも手続きできます。
マイナポータルとは
マイナポータルは、政府が運営するオンラインサービスで、マイナンバーカードを使って個人が自分の情報を確認したり、行政手続きをオンラインで行ったりできるプラットフォームです。マイナポイントの申請・確認・公金受取口座登録などもマイナポータルを通じて行います。
地方自治体独自のマイナポイント施策
国のマイナポイントとは別に、多くの自治体が独自のポイント付与施策を実施しました。例えば東京都江東区では5,000円分の独自ポイントを上乗せして給付した事例があります。他にも様々な自治体が転入者・特定条件の住民向けにポイントや商品券を追加給付しました。
自治体独自施策は内容・対象・期間が各自治体で異なるため、居住する市区町村のホームページや広報誌を確認することが重要です。国のマイナポイントと組み合わせることでより多くのポイント・給付を受けられた場合もあります。
よくある誤解:マイナポイントについて間違いやすいポイント
マイナポイントに関して多く寄せられた誤解や疑問を解説します。
誤解1「マイナポイントは現金でもらえる」
マイナポイントはキャッシュレス決済サービスのポイント・電子マネー・残高として付与されます。現金による給付ではありません。付与されたポイントは各サービスでの買い物・交通・公共料金の支払いなどに利用できますが、原則として現金への交換はできません。
誤解2「マイナンバーを教えるとプライバシーが漏れる」
マイナポイントの申し込みにおいて、キャッシュレス決済事業者に伝わる情報はマイナポイント申込書コード(ポイント申込専用の番号)であり、マイナンバー(12桁)そのものは渡りません。また、マイナンバーは一元管理されておらず、各省庁が個別に管理しており情報の名寄せには制限があります。ただし、情報漏洩リスクへの適切な対策は国・自治体・民間事業者すべてに求められます。
誤解3「マイナ保険証を申請するとすぐに保険証が使えなくなる」
マイナ保険証の利用申請をしても、従来の紙の健康保険証はすぐに使えなくなるわけではありませんでした(段階的に廃止計画が進行中)。申請後も利用可能な状況が続き、医療機関側のシステム整備も段階的に進みました。2024年12月の紙の健康保険証廃止(新規発行停止)以降は、マイナ保険証またはマイナ保険証未取得者向けの「資格確認書」が使用されます。
誤解4「全員が2万円分受け取れる」
最大2万円を受け取るには、3つの手続き(決済サービス申請+2万円チャージ・健康保険証申請・公金口座登録)すべてを期限内に完了させる必要があります。申請期間が設けられており、期限を過ぎると受け取れません。第2弾の申請期限は2023年9月末(一部延長あり)で締め切られています。
マイナポイントのデメリット・懸念点
マイナポイントに関しては賛否両論があります。主な懸念点・デメリットを整理します。
1. デジタルデバイド(情報格差)の問題
スマートフォン操作が不慣れな高齢者や、IT機器を持たない方にとって申し込み手続きが難しく、ポイントを受け取れない方が一定数いました。窓口での支援が自治体によって差があり、公平性の問題が指摘されました。
2. マイナンバーへの個人情報集中への懸念
マイナンバーに健康保険・口座・運転免許・年金など多くの個人情報を紐付けることへの不安を持つ方は少なくありません。情報漏洩・誤紐付けリスク(2023年に複数件の誤紐付けが発覚)は制度への信頼を損なうリスクとして議論されています。
3. 行政コストの問題
マイナポイント事業には約1.8兆円の予算が投じられたとされており、その費用対効果(コスト対普及効果)について批判的な意見もあります。
4. 特定サービスへの誘導
対応しているキャッシュレス決済サービスは企業ごとに参加申請が必要で、全サービスが対応しているわけではありませんでした。また、サービス選択後の変更不可という制約が使いにくさにつながりました。
マイナポイント・マイナンバーカードの選び方・今後の活用
マイナポイントの申請期間は終了しましたが、マイナンバーカード自体の活用場面は今後さらに広がります。
| 活用場面 | 内容 | 対応時期 |
|---|---|---|
| 健康保険証 | 医療機関でのマイナ保険証利用 | 2024年12月〜義務化 |
| 確定申告 | e-Taxでの電子申告 | 実施中 |
| 証明書取得 | コンビニでの住民票・印鑑証明取得 | 実施中 |
| 運転免許証 | デジタル運転免許証との統合 | 2025年〜段階的 |
| 公金受取 | 給付金の迅速な振込 | 実施中 |
| 各種行政手続き | 引越し手続き・各種届出のオンライン化 | 段階的に拡充 |
マイナ保険証の利用方法
マイナ保険証が使える医療機関・薬局では、窓口に設置されたカードリーダーにマイナンバーカードをかざし、顔認証または暗証番号で本人確認を行います。紙の保険証と異なり、医療機関間での薬剤情報・特定健診情報の共有が可能になり、より的確な診察・投薬が期待されます。
まとめ
マイナポイントはマイナンバーカードの普及とデジタル手続きの推進を目的とした、最大2万円分のポイント付与施策でした。本記事の要点をまとめます。
- 最大2万円分の内訳:決済5,000円分(25%還元)+健保申請7,500円分+公金口座7,500円分
- 実施主体は総務省、対応サービスはPayPay・Suica・楽天Pay等多数
- サービス選択は一度のみ・後から変更不可のため慎重に選ぶ
- 自治体独自施策(江東区5,000円など)と組み合わせる場合も
- マイナ保険証・公金口座登録がポイント付与の条件
- デジタルデバイド・個人情報集中への懸念も存在
- 第2弾申請は2023年9月末で終了(現在は申請不可)
- マイナンバーカードは今後も運転免許・行政手続き等で活用が拡大
マイナポイントの申請期間は終了しましたが、マイナンバーカードとマイナポータルの活用は今後も広がり続けます。行政のデジタル化の流れとともに、マイナンバーカードの利便性は一層高まることが予想されます。最新情報は総務省・マイナポータルの公式サイトで随時確認するようにしてください。
参考文献・参考資料
- 総務省「マイナポイント事業 公式サイト」(2023年)
- デジタル庁「マイナポータル利用ガイド」(2023年)
- 総務省「マイナンバーカードの交付状況について」(2024年)
- デジタル庁「マイナ保険証の利用促進に関する取組み」(2024年)
- 厚生労働省「マイナンバーカードの健康保険証利用について」(2024年)
- 会計検査院「マイナポイント事業に関する検査報告」(2024年)
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