知らないと損する保育料の仕組み|年収別の計算と無償化・第2子以降まで解説【2026年版】

「うちと同じくらいの年収なのに、なぜかママ友の保育料のほうが安い」――そんな疑問を持ったことはありませんか? 実は保育料は年収で決まるのではありません。「市区町村民税所得割額」という、税金の金額をもとに計算される仕組みになっています。そこに無償化や第2子減額が重なるため、同じ年収でも家族構成や控除の使い方次第で月数万円もの差が生まれることがあります。

2019年10月に始まった幼保無償化によって「3歳以上は全員タダ」というイメージが広がりましたが、実態はもう少し複雑です。給食費や行事費は引き続き自己負担ですし、0〜2歳は住民税非課税世帯のみが無償の対象です。東京都では2025年9月から独自の無償化拡大が始まるなど、自治体ごとのルールも年々変わっています。

この記事では保育料がどのように計算されるかを基本から丁寧に解説し、年収別の目安表や第2子・第3子の減額制度、認可外保育園との違い、そして合法的に保育料を下げる方法まで2026年7月時点の最新情報でお伝えします。制度の全体像を掴むだけで、家計の見通しがグッと立てやすくなるはずです。

  • 保育料は「年収」ではなく「市区町村民税所得割額」で決まる
  • 3〜5歳の認可保育料は2019年から所得に関係なく無償
  • 第2子は半額、第3子以降は無償が国の基本ルール(2026年版)
  • 年末調整の控除を正確に使うだけで保育料が変わる可能性がある
目次

保育料の基本|何で決まるのか?

「年収が高いから保育料も高い」と思いがちですが、実際に保育料の階層を決めるのは年収そのものではありません。そこには少し意外な仕組みがあります。

市区町村民税所得割額とは何か

保育料の階層は、世帯の「市区町村民税所得割額(以下、所得割額)」の合計で決まります。所得割額とは、住民税のうち所得に比例してかかる部分のことで、毎年6月に送られてくる「住民税決定通知書」に記載されています。給与収入だけでなく、不動産所得や副業収入なども反映されます。

共働き世帯では父母それぞれの所得割額を合算した金額が使われます。つまり同じ世帯年収でも、どちらか一方に収入が集中しているか分散しているかで合算後の税額が変わり、保育料の階層も異なってくることがあります。

所得割額の計算式を押さえる

所得割額は大まかに次の式で計算されます。

所得割額 = 課税所得 × 6%(市民税分)
※ 課税所得 = 総所得 ー 給与所得控除 ー 各種所得控除(社会保険料控除・配偶者控除・扶養控除など)

たとえば年収400万円の給与所得者の場合、給与所得控除を引いた給与所得は約276万円。そこから社会保険料控除(約57万円)や基礎控除(43万円)などを差し引いた課税所得がおよそ176万円となり、所得割額は約10.6万円になります。同じ年収400万円でも、扶養家族がいる、住宅ローン控除を使っているといった条件次第で課税所得は変わります。

「年収ではなく税額で決まる」という逆説的な驚き

ここが多くの人が驚くポイントです。年収600万円でも、住宅ローン控除や医療費控除をフル活用していれば所得割額が低くなり、年収400万円で控除が少ない人よりも保育料の階層が下になる場合があります。「年収が高い人ほど保育料が高い」という直感は、あくまでおおざっぱな傾向にすぎません。

逆に言えば、控除を正確に申告することが保育料を左右する直接の鍵になります。これは後述する「保育料を下げる合法的な3つのポイント」でも詳しく取り上げます。

保育料の料金表(年収別の目安)

国は「保育所保育料の徴収基準額表」を定めており、自治体はこれを上限として独自の料金表を設定します。以下は国が定める0〜2歳(認可保育所)の主な階層別上限額です(月額・2026年7月時点)。

階層 世帯の市区町村民税所得割額(合算) 国基準の月額上限(0〜2歳)
D1(非課税) 住民税非課税世帯 0円(無償)
D2 〜48,600円未満 19,500円
D3 48,600円〜97,000円未満 30,000円
D4 97,000円〜169,000円未満 44,500円
D5 169,000円〜301,000円未満 61,000円
D6 301,000円〜397,000円未満 80,000円
D7(最高額) 397,000円以上 104,000円

※ 上記は国の基準額(上限)です。自治体によって異なります。3〜5歳は幼保無償化により原則0円。

次に、世帯年収(夫婦合算・共働き標準的控除想定)と所得割額の対応目安を示します。

世帯年収の目安 所得割額(夫婦合算・目安) 該当する国基準階層(0〜2歳)
200万円以下 非課税〜約3万円 D1〜D2(0〜19,500円)
300万円前後 約11.6万円 D3〜D4(30,000〜44,500円)
400万円前後 約17〜20万円 D5(61,000円)
500万円前後 約28〜35万円 D5〜D6(61,000〜80,000円)
700万円以上 約40万円以上 D7(104,000円)

※ 控除の状況(住宅ローン控除・医療費控除・配偶者控除など)により大きく変わります。あくまで目安としてご参照ください。各自治体の料金表を最新情報として確認ください。

お子さんの保育料の仕組みを知っていましたか?

  1. よく知っていた
  2. なんとなく知っていた
  3. よく知らなかった
  4. 子どもがいないので関係ない

📊 これまでの読者投票の結果(当サイト調べ・7票)

よく知らなかった:57%
なんとなく知っていた:43%
よく知っていた:0%
子どもがいないので関係ない:0%

2019年「幼保無償化」で何が変わったか

2019年「幼保無償化」で何が変わったか
Photo by BBC Creative on Unsplash

幼保無償化の仕組みを示すイメージ

2019年10月、「幼児教育・保育の無償化(通称:幼保無償化)」が始まりました。「全員タダになった」と思っている方も多いのですが、実際には対象と条件が細かく設定されています。

3〜5歳:所得に関係なく全員が無償

認可保育所・認定こども園・幼稚園に通う3〜5歳の子どもは、世帯所得に関係なく保育料が無償になります。これは非常に大きな変化で、それまで月5〜10万円を支払っていた共働き世帯にとっては家計への恩恵が大きい制度です。

ただし「無償」とは「保育料」の話であって、給食費(主食費・副食費)、行事費、教材費、延長保育料などの実費は引き続き自己負担です。副食費の目安は月4,500円程度が多く、「タダになったと思ったらそうでもなかった」と感じる方がいるのはここが理由です。年収に関わらず、副食費は原則全員が払います(ただし非課税世帯や第3子以降は副食費も免除)。

0〜2歳:住民税非課税世帯のみが無償

0〜2歳は対象が絞られます。住民税非課税世帯(目安として世帯年収約250万円以下)のみが無償の対象です。それ以外の世帯は従来通り所得割額に応じた保育料を支払います。国の基準では最大で月104,000円という金額になるため、特に0〜2歳の保育料の負担は大きくなります。

「無償化なのに保育料を払っている」謎を解く

無償化後も保育料の請求が来るケースには主に3つの理由があります。第一に「子どもがまだ0〜2歳で、世帯が住民税課税世帯」という場合。第二に「通っているのが認可外保育施設で、補助上限を超えた部分の実費」という場合。第三に「3〜5歳でも幼稚園の預かり保育料など無償化対象外の費用がある」という場合です。

無償化の制度は「認可保育所の保育料」という特定のコストを対象にしています。それ以外の費用は手つかずのまま残っているため、体感としては「思ったより安くならなかった」という感想が出やすいのです。

第2子・第3子の減額制度(2026年最新)

子どもの数が増えると保育料はどう変わるのでしょうか。国と自治体の制度を整理して見てみましょう。

国の基本ルール:第2子半額・第3子以降無償

国の基準では、認可保育所に通う子どもが同時に複数いる場合、最年長の子どもを第1子として数え、第2子は保育料が半額、第3子以降は無償となります。ポイントは「同時に在籍していること」が条件になる点です。上の子が小学校に上がって保育所を退所した後に下の子が入所した場合、下の子は第1子としてカウントされます。

また3〜5歳は幼保無償化ですでに保育料が0円なので、第2子・第3子の減額が実質的に意味を持つのは0〜2歳の場面が中心です。

東京都独自の拡大:2025年9月から0〜2歳の第1子も無償化

東京都は2025年9月から、都内在住の0〜2歳の子どもについて、所得に関係なく第1子も含めて保育料を無償化する独自制度を実施しています。これは国の制度(0〜2歳は非課税世帯のみ)を大幅に上回る内容で、全国の都道府県の中でも突出した取り組みです。

ただし対象は「認可保育所等に在籍し、保育の必要性の認定(2号・3号認定)を受けていること」など条件があります。また都内の市区町村が個別に補助を上乗せするケースもあり、居住する区市町村によって詳細な条件が異なります。

自治体独自制度の差に注意

東京都以外でも、大阪市や兵庫県など独自の多子減額・無償化を実施している自治体が増えています。引越しを検討している家庭や保育所を探している段階の家庭は、候補となる自治体の保育料制度を比較することが重要です。国の基準だけを見て判断すると、実際の負担と大きくズレることがあります。

認可外保育園・地域型保育との違い

認可保育所に入れなかった場合や、あえて認可外を選ぶ場合、保育料の仕組みが変わります。ここはしっかり理解しておきたいポイントです。

認可外保育施設への補助金と上限

「認可外保育施設」とは、都道府県知事の認可を受けていない保育施設の総称です。企業が運営する事業所内保育や、インターナショナルプリスクールなどが含まれます。認可外でも「保育の必要性の認定(2号・3号認定)」を受けていれば、幼保無償化の補助が受けられます。

補助の上限額は以下の通りです。

  • 3〜5歳:月3.7万円(施設利用料から補助、超過分は自己負担)
  • 0〜2歳(住民税非課税世帯):月4.2万円

認可外の保育料が月7万円なら、3〜5歳では3.7万円の補助を受けて残りの3.3万円が自己負担になります。認可保育所と違って「全額無償」にはなりにくい点が大きな違いです。

地域型保育(小規模保育)とは

地域型保育は、0〜2歳を対象に定員6〜19名程度の小規模な施設で行われる保育です。認可を受けた施設のため保育料の仕組みは認可保育所と同じで、所得割額に応じた金額が適用されます。3歳以降は連携施設へ移行するのが基本ですが、移行先の確保に地域差があるため事前確認が大切です。

実用シーン|保育料を下げる合法的な3つのポイント

実用シーン|保育料を下げる合法的な3つのポイント
Photo by Erika Fletcher on Unsplash

「制度を理解したら家計が変わる」とはどういうことか、具体的に解説します。合法的な範囲で所得割額を下げる方法は、実はいくつか存在します。

1. 年末調整・確定申告で控除を正確に申告する

所得割額は課税所得から計算されるため、課税所得を下げることが保育料の引き下げに直結します。見落とされがちな控除として「医療費控除」があります。年間の医療費が10万円(または所得の5%)を超えた場合に申告できますが、申告しなければ所得割額は高いままです。ふるさと納税(ワンストップ特例・確定申告どちらでも)も所得割額を下げる効果があります。

配偶者控除・配偶者特別控除も、収入配分によって使えるかどうかが変わります。年末調整を「なんとなく」提出している家庭ほど、この見直しで節税効果が出やすい傾向があります。

2. 産休・育休中は翌年度の保育料が下がりやすい

産休・育休中は給与が大幅に減少するため、翌年度に支払う住民税(所得割額)も下がります。保育料は4〜8月が前年度の住民税、9〜3月が当年度(新年度)の住民税で決まるため、育休から復帰した年の9月以降に保育料が下がるケースが多いです。逆に復帰後に給与が戻ると、翌年の9月から保育料が上がる可能性もあります。「育休明けに保育料が上がった」という声の背景はここにあります。

3. 兄弟が認可施設に在籍している期間を把握する

第2子・第3子の減額は「上の子が認可保育所や幼稚園等に在籍している期間のみ」適用されます。上の子が3月末に卒園・退所したタイミングで、下の子の保育料が翌月から「第1子扱い」に変わります。家計の計算をするとき、この切り替わりのタイミングを意識しておくと驚きが減ります。

また認可施設に通っている兄弟が2人以上いるとき、上の子の年齢が上がるほど(幼保無償化で0円になるほど)、下の子の減額が計算上「消える」ケースもあります。制度の組み合わせは複雑なので、役所の窓口や保育所担当に「我が家の場合はどうなる?」と確認するのが確実です。

よくある誤解とQ&A

保育料の制度には誤解が多く、「知っているつもり」で損をしているケースが少なくありません。代表的な誤解と実際の答えを確認しておきましょう。

誤解1:「年収が高い人は全員、最高額の保育料を払う」

実際には、年収が高くても控除が多ければ所得割額は低くなります。たとえば年収700万円でも、住宅ローン控除を最大限使っていたり、配偶者・扶養控除が多く適用される家庭では、所得割額が年収500万円以下の家庭と同じ階層になることがあります。「稼いでいると保育料も絶対高い」は必ずしも正しくありません。

誤解2:「3歳になったらすぐ保育料が無償になる」

幼保無償化の「3歳」は年齢ではなく「年度」で区切られています。正確には「3〜5歳の年度」に入った4月1日から無償化の対象となります。たとえば4月2日生まれの子は翌年4月(満3歳になってから約1年後)まで無償にならないケースがあります。「子どもが3歳になった月から無償化」という誤解をしていると、数ヶ月間の保育料を計算外にしてしまいます。

誤解3:「認可外保育所は補助金ゼロ」

「認可外は補助がない」と思っている方がいますが、保育の必要性の認定(2号・3号認定)を受けていれば補助が受けられます。3〜5歳は月3.7万円、0〜2歳の住民税非課税世帯は月4.2万円が上限として補助されます。申請を忘れると受け取れないため、認可外に通っている家庭は必ず居住する区市町村の窓口で確認してください。

Q1: 幼保無償化で3〜5歳は全員タダですか?

認可保育所の「保育料」は無償です。ただし給食費(副食費など月4,500円程度)・行事費・教材費などの実費は自己負担のままです。副食費も第3子以降や非課税世帯は免除になる場合があります。

Q2: 途中で年収が上がったら保育料も上がる?

保育料は4〜8月は前年度の住民税、9〜3月は当年度(新年度)の住民税で決まります。年収が急上昇した年度は9月から保育料が上がる可能性があります。逆に産休・育休で収入が減った年は9月以降に保育料が下がるケースがあります。

Q3: 認可外保育所に入れたら補助金はゼロ?

保育の必要性の認定を受けていれば、月3.7万円(3〜5歳)または4.2万円(非課税世帯0〜2歳)を上限に補助が受けられます。ただし施設の保育料が上限を超えた分は自己負担となります。認定を受けているかどうかの確認が先決です。

まとめ

保育料の仕組みを改めて整理すると、核心は「年収ではなく市区町村民税所得割額で決まる」という一点に尽きます。同じ年収でも控除の使い方次第で所得割額が変わり、それが直接保育料の階層を動かします。

幼保無償化によって3〜5歳の認可保育料は所得に関わらず無償になりましたが、0〜2歳は住民税非課税世帯のみが対象です。第2子は半額、第3子以降は無償という国の基本ルールに加え、東京都が2025年9月から0〜2歳の第1子を独自無償化するなど、自治体ごとの上乗せ制度が年々広がっています。

認可外保育施設に通っていても、保育の必要性の認定を受けていれば月3.7万円(3〜5歳)または4.2万円(0〜2歳非課税世帯)を上限に補助があります。認可外だからと諦めずに申請することが大切です。

保育料を合法的に下げるポイントは、①年末調整・確定申告で控除を正確に使う、②産休・育休中の翌年度の下がりを把握する、③兄弟の在籍期間と切り替わりを意識する、の3点です。制度を理解して能動的に動くだけで、家計の見通しが大きく変わることがあります。

制度は毎年改正される可能性があります。最新の料金や減額条件については、必ずお住まいの市区町村の窓口やこども家庭庁の公式サイトでご確認ください。

関連記事もあわせてご覧ください:社会保険料の仕組みと計算方法 / 児童手当の改正と受取条件を解説

参考文献

※ 本記事の情報は2026年7月時点のものです。制度改正により内容が変わる場合があります。

📖 この記事について 本記事は、社会の制度や法律の”仕組み”を知る面白さをお届けし、世の中のルールに興味を持っていただくための読み物です。個別の法的判断を示すものではなく、制度は改正されることもあります。具体的なケースは専門家や公的機関にご確認ください。

この記事の内容、読む前から知っていましたか?

  1. 知っていた
  2. なんとなく知っていた
  3. 初めて知った
  4. 誤解していた

📊 これまでの読者投票の結果(当サイト調べ・6票)

なんとなく知っていた:50%
知っていた:17%
初めて知った:17%
誤解していた:17%

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA