知らないと戸惑う自動車税の全体像|種別割・重量税・エコカー減税まで解説【2026年版】

毎年5月になると「自動車税納税通知書」が届き、コンビニやスマートフォンアプリで払うことになる。しかし「そもそも自動車税とは何か」「なぜ排気量で金額が変わるのか」「重量税とはまた別の税なのか」を正確に答えられる人は少ない。

実は車に関する税は1種類ではない。自動車税(種別割)・自動車重量税・環境性能割という3つが主要な柱を形成し、それぞれ課税タイミング・課税主体・計算方法が異なる。2026年4月には環境性能割が廃止(停止)されるなど、2026年は自動車税制の変わり目でもある。

  • 自動車税(種別割)は排気量で決まり、毎年5月に都道府県に払う
  • 自動車重量税は車検のたびに国に払う。車の重さと年齢で変わる
  • 環境性能割は2026年4月1日から廃止(停止)された
  • 電気自動車・PHVは重量税が免税になるエコカー減税の対象

自動車税(種別割)の基本を押さえる

「自動車税」と言われてまず思い浮かぶのが、この自動車税種別割だ。都道府県税で、毎年4月1日時点に自動車(普通自動車・小型自動車など)を所有している人に課される。納付期限は原則5月31日。

金額の決め手はエンジンの総排気量だ。排気量が大きいほど税額が高くなる設計になっている。

総排気量 年税額(新税率) 年税額(旧税率)
1,000cc以下 25,000円 29,500円
1,001〜1,500cc 30,500円 34,500円
1,501〜2,000cc 36,000円 39,500円
2,001〜2,500cc 43,500円 45,000円
2,501〜3,000cc 50,000円 51,000円
3,001〜3,500cc 57,000円 58,000円
6,000cc超 110,000円 111,000円
新税率は2019年10月1日以降の新規登録車に適用。旧税率は2019年9月30日以前登録車。出典: 総務省・東京都主税局

2019年10月の消費税率10%への引き上げと同時に、自動車税種別割は引き下げられた。たとえば1,000cc以下のクルマなら旧税率29,500円から新税率25,000円へ4,500円安くなっている。ただしこの新税率が適用されるのは2019年10月1日以降に初めて登録した車両だけだ。それ以前に登録した車は引き続き旧税率が適用される。

軽自動車税(種別割)との違い

軽自動車には「自動車税種別割」ではなく「軽自動車税種別割」が課される。こちらは市区町村税だ。課税主体が都道府県から市区町村に変わる点が大きな違いで、金額も一律で安い。

自家用乗用の軽自動車(四輪)は2015年4月1日以降の新規登録車で10,800円(それ以前は7,200円)。普通車のような排気量区分はなく、車格で一律に課税される。排気量660cc以下という軽自動車の定義があるため、排気量で細かく分ける必要がないのだ。

なぜ排気量で課税するのか — 税の根拠を掘り下げる

なぜ排気量で課税するのか — 税の根拠を掘り下げる
Photo by Tim Mossholder on Unsplash

排気量が大きいほど税が高い理由には、2つの課税哲学が絡んでいる。

一つ目は財産税的な性格だ。一般に排気量が大きい車は車体も大きく、価格も高い。担税力(税を負担できる能力)が高い人が乗る傾向があるため、高排気量車に多く課税することは所得再分配の観点でも合理的とされてきた。

二つ目は道路損傷負担金的な性格だ。車体が大きく重いほど道路を傷めるという考え方から、大きな車が道路整備費用をより多く負担するという論理だ。ただし道路への負荷は重量で決まるため、排気量との相関は必ずしも完全ではない。重量への課税としては別途「自動車重量税」が存在する。

歴史をたどると、自動車税の起源は1873年(明治6年)の「車税」(馬車・人力車への課税)にさかのぼる。その後自動車の普及とともに変化し、戦後の自動車税へと発展した。

自動車税(種別割)と自動車重量税の違いを事前に知っていましたか?

  1. 詳しく知っていた
  2. なんとなく知っていた
  3. あまり知らなかった
  4. まったく知らなかった

📊 これまでの読者投票の結果(当サイト調べ・11票)

なんとなく知っていた:55%
まったく知らなかった:36%
あまり知らなかった:9%
詳しく知っていた:0%

自動車重量税 — 車検のたびに払う国税

自動車重量税は車検を受けるたびに課される国税だ。車両重量0.5トンごとに課税される。自動車税種別割と混同されやすいが、別の税だ。

自動車税(種別割)vs 自動車重量税 — 何が違う?

自動車税(種別割)

種別: 都道府県税
タイミング: 毎年5月
計算: 排気量で決まる
目安: 25,000〜110,000円/年

自動車重量税

種別: 国税
タイミング: 車検時
計算: 車両重量×年数
目安: 車重1tで2年=16,400円

普通乗用車(自家用、車齢13年未満)の重量税は、車両重量0.5トンごとに2年分で8,200円(年額換算で4,100円)が基本だ。車齢が上がると税額も上がる設計で、車齢13〜17年は0.5トンごと2年で11,400円、18年以上は12,600円になる。古い車に重い税をかけることで、環境負荷の高い古い車の乗り換えを促す設計思想だ。

重量税のエコカー減税(2026年〜2028年)

電気自動車(EV)・燃料電池自動車(FCV)・PHV(プラグインハイブリッド)・天然ガス自動車は、自動車重量税が100%免税になる(エコカー減税)。一定の燃費基準を達成したガソリン車も25〜75%の減税対象だ。

現行のエコカー減税(重量税)の適用期間は2026年5月1日〜2027年4月30日で、2028年4月30日まで延長が決定されている。ただし2027年5月以降は燃費基準が引き上げられる予定で、減税対象から外れる車種が出てくる可能性がある。

EVの普及に向けた政策として、EVの急速充電の仕組みも別記事で解説しているが、税制面でもEVへの優遇は2028年まで継続される方針だ。

環境性能割 — 2026年4月に廃止された税

2019年10月に自動車取得税の廃止とともに導入されたのが「環境性能割」だった。車の取得時(購入・輸入)に一度だけかかる税で、燃費性能が良いほど税率が低くなる設計だった。

しかし2026年4月1日付けで廃止(2年間の停止)となった。廃止の背景には3つの要因がある。

  • 取得税→環境性能割というリネームへの「二重課税」批判
  • 物価高騰と消費活性化への対応(購入コストの引き下げ)
  • 自動車産業の競争力強化・EVシフト促進の観点

2026年4月1日以降に購入・登録した車には環境性能割はかからない。購入のタイミングを検討する場合、この点は判断材料の一つになる。

車の税の総額 — 実際どれくらい払っているのか

「自動車関係の税を全部合わせていくらか」を正確に把握している人は少ない。年間ベースで整理してみると、実態が見えてくる。

税の種類 対象 年額目安
自動車税(種別割) 普通車・1,500cc 30,500円
自動車重量税 車重1.5t・車齢5年 12,300円(2年24,600円÷2)
ガソリン税等 ガソリン1リットルあたり 約53.8円/L(揮発油税+地方揮発油税)
※ 出典: 国土交通省・総務省。2026年時点の税率。ガソリン税は別途かかる。

自動車税の年間総税収は約1兆6,765億円(令和4年度)と国内最大規模の地方税の一つだ(全国知事会資料)。車体課税全体では年間約2.7兆円規模であり、道路整備費用の一部や地方財源として使われている。

なお、ガソリン車を使い続けるかEVに乗り換えるかを検討するとき、給与明細の見方と手取り計算と同様に、税の正確な計算が判断の軸になる。

エコカー減税の注意点と判断基準

エコカー減税の注意点と判断基準
Photo by CHUTTERSNAP on Unsplash

「エコカーを買えば得」は単純には言えない。減税の恩恵と車両本体価格の高さを総合的に判断する必要がある。

電気自動車を選ぶ場合の税メリット

  • 自動車重量税:100%免税(エコカー減税)
  • 環境性能割:2026年4月以降は廃止で全車ゼロ(EVも非EVも関係なし)
  • 自動車税種別割:排気量による課税なので、EVは0cc扱い→最低税率(ゼロ課税)

つまりEVは自動車税種別割も重量税も実質ゼロになるケースが多い。一方で車両本体価格が高く、補助金・税制優遇を差し引いた総コストで計算する必要がある。

普通のガソリン車を乗り続ける場合の税額推移

車齢が13年・18年を超えると重量税が段階的に上がる設計で、古い車への買い替え促進効果を持たせている。毎年の自動車税種別割は税率が固定されているので、同じ車を持ち続ける限り変わらない。

エコカー以外でも減税になる燃費基準

エコカー減税は電気自動車だけが対象ではない。2030年度燃費基準の達成率に応じて、通常のハイブリッド車やガソリン車も減税対象になりうる。燃費基準100%達成で75%減税、95%達成で50%減税、80%達成で25%減税という段階がある。ただし「2018年排出ガス規制50%低減」と「2020年度燃費基準達成」という前提条件もあり、すべてのハイブリッド車が対象になるわけではない。購入前に国土交通省やディーラーで確認することが必要だ。

よくある誤解3選

誤解1:「自動車税は1種類だけ」

一口に「自動車税」と言っても、種別割(毎年5月)と重量税(車検時)は別の税で、課税主体・計算方法・納税タイミングがすべて異なる。さらにガソリン1リットルあたり約53.8円のガソリン税も加わる。実際には複数の税を同時に払っている。

誤解2:「軽自動車は自動車税がかからない」

軽自動車には「軽自動車税(種別割)」がかかる。普通車の「自動車税(種別割)」とは別の税で、市区町村に払う。金額は10,800円(2015年4月以降の新規登録車)で普通車より安いが、ゼロではない。

誤解3:「エコカーなら重量税が全部タダになる」

エコカー減税は燃費基準によって減税率が異なる。電気自動車・PHV・FCV・天然ガス自動車は100%免税だが、ハイブリッド車や燃費基準達成のガソリン車は達成率に応じて25〜75%の減税にとどまる場合がある。購入前に対象車種と減税率を確認することが必要だ。

まとめ:自動車税は「3本柱」を理解してから払う

自動車に関する主要な税を整理すると、①自動車税種別割(都道府県税・毎年5月・排気量基準)、②自動車重量税(国税・車検時・重量×年数基準)、③環境性能割(2026年4月廃止)という3本柱だ。

2026年現在のポイントは3つある。2019年10月以降の新規登録車は種別割が引き下げられている。環境性能割は2026年4月1日に廃止(停止)された。エコカー減税(重量税)は2028年4月まで延長確定だが、2027年5月以降は燃費基準が引き上げられる予定で対象車種が変わる可能性がある。

2026年9月時点の情報をもとに整理している。税率・制度は毎年変更される可能性があるため、最新情報は総務省・国土交通省・各都道府県の税務担当窓口で確認を。

この記事の内容、読む前から知っていましたか?

  1. 知っていた
  2. なんとなく知っていた
  3. 初めて知った
  4. 誤解していた

📊 これまでの読者投票の結果(当サイト調べ・10票)

なんとなく知っていた:60%
知っていた:20%
初めて知った:10%
誤解していた:10%

📊 「知らないと戸惑う自動車税の全体像|種別割・重量税・エコカー減税まで解説【2026年版】」はこんな人に読まれています

2026年9月15日 〜 2026年10月15日
PC
100%
その他
100%
新規 100%リピート 0%
061218
📈 ピーク時間帯:15時

📚 参考文献・出典

📖 この記事について 本記事は、社会の制度や法律の”仕組み”を知る面白さをお届けし、世の中のルールに興味を持っていただくための読み物です。個別の法的判断を示すものではなく、制度は改正されることもあります。具体的なケースは専門家や公的機関にご確認ください。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA