自動車税はどうやって決まるのか|排気量別税率・グリーン化特例・2026年改正を解説

毎年5月になると届く「自動車税」の納税通知書。金額を見て「なんでこの金額なんだろう?」と思ったことはありませんか。同じ2,000ccの車でも、ガソリン車と電気自動車で税額が全然違う。なんとなく払っているけれど、根拠を説明できる人は意外と少ないです。

自動車税の金額は「排気量(エンジンの大きさ)」で決まります。1,500ccの車なら年間30,500円、3,000cc超なら50,000円——排気量が大きいほど税額が上がる仕組みです。しかも2019年10月の消費税増税時に税率が引き下げられ、さらに2026年4月から「自動車税種別割」という正式名称から「自動車税」に名前が戻るなど、制度は生きたまま動き続けています。

この記事では、自動車税の計算方法から自動車重量税との違い、グリーン化特例(エコカー減税)、2026年の制度改正まで、「毎年5月の請求書の根拠」を徹底解説します。

  • 自動車税は「排気量別」で税額が決まる都道府県税
  • 2019年10月の消費税増税時に税率が引き下げられた
  • グリーン化特例でEV・PHVは翌年度の税額が75%軽減
  • 自動車重量税は別の「国税」で、車検のたびに支払う

自動車税の「根拠」——排気量が大きいほど高くなる理由

自動車税の「根拠」——排気量が大きいほど高くなる理由
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自動車税は都道府県税です。毎年4月1日時点で自動車を所有している人(登録名義人)に対して、都道府県が課税します。

「なぜ排気量で税額が変わるの?」と思うかもしれません。理由は主に2つです。

  1. 排気量が大きい車ほど道路に与えるダメージが大きいと考えられてきた:大型・高出力の車は重く、路面にかかる荷重が大きい。道路の維持費を「使った分だけ」負担する考え方から、排気量が税額の基準になっています。
  2. 環境負荷の観点から大型エンジンへの抑制効果を狙っている:排気量が大きいほど一般的にCO₂排出量が多い。これを税で抑制する目的もあります(ただし現代では燃費性能が高い大排気量エンジンもあり、単純な比例関係ではなくなっています)。

言い換えると、自動車税は「道路という公共インフラをどのくらい使うか」への課税という性格を持ちます。住民税が「地方サービスへの参加費」なら、自動車税は「道路の利用料金(の一部)」と考えると理解しやすいです。

自動車税の排気量別税率一覧(2019年10月〜現行)

排気量 新税率(2019/10〜) 旧税率(〜2019/9) 差額
1,000cc以下 25,000円 29,500円 ▲4,500円
1,000〜1,500cc 30,500円 34,500円 ▲4,000円
1,500〜2,000cc 36,000円 39,500円 ▲3,500円
2,000〜2,500cc 43,500円 45,000円 ▲1,500円
2,500〜3,000cc 50,000円 51,000円 ▲1,000円
3,000〜3,500cc 57,000円 58,000円 ▲1,000円
4,000〜4,500cc 75,500円 76,500円 ▲1,000円
6,000cc超 110,000円 111,000円 ▲1,000円
出典:くらしの計算機「自動車税早見表2026年版」。軽自動車は「軽自動車税」(市区町村税・年10,800円)が別途適用

あなたの車の排気量が1,600ccなら、上記の表で「1,500〜2,000cc」の行を見て年間36,000円だと分かります。毎月3,000円の「道路利用料」を先払いしているイメージです。

自動車税の金額の計算方法を、今日初めて知りましたか?

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自動車税はいつ払う?課税時期と支払い方法

4月1日時点の所有者に課税、5月末が支払い期限

自動車税の課税基準日は毎年4月1日です。この日に自動車を持っていた人(車検証の名義人)に対して、都道府県から5月上旬〜中旬に「納税通知書」が郵送されます。支払い期限は5月31日(休日の場合は翌平日)です。

4月2日以降に新車を登録した場合は、その月から年度末(翌年3月)までの月割りで課税されます。登録月が4月なら12ヶ月分、5月なら11ヶ月分という計算です。逆に年度途中で車を廃車・売却した場合は、翌月からの残り月数分が還付されます。

支払い方法は多様化している

かつては金融機関・コンビニでの現金払いが主流でしたが、近年はキャッシュレス対応が進んでいます。PayPay・楽天ペイ・d払い・au PAY・LINE Pay など主要なQR決済に加え、クレジットカード払い(都道府県によって手数料あり)、ペイジー(Pay-easy)も使えます。ただしクレジットカードは手数料がかかる都道府県が多い点に注意してください(最新は各都道府県のサイトで確認を)。

グリーン化特例で電気自動車は翌年度75%軽減——エコカー優遇の仕組み

グリーン化特例とは

環境性能が高い車(EV・PHV・天然ガス車・一部のクリーンディーゼル)を新車で新規登録した場合、翌年度の自動車税が軽減されます。これが「グリーン化特例」です。

対象車種 翌年度の軽減率
電気自動車(EV)・プラグインハイブリッド(PHV)・天然ガス自動車 75%軽減
一定の燃費基準を満たすガソリン車(例:2030年度燃費基準120%達成) 50%軽減
燃費基準を一定以上満たすガソリン車(例:2030年度燃費基準80%達成) 25%軽減
軽減は新規登録翌年度のみ。2026年〜2028年3月31日まで延長適用(JAFトレコラム)

例えば1,500〜2,000ccのEVを2025年10月に新規登録した場合、2026年度の自動車税は36,000円×25%=9,000円(通常の約4分の1)になります。2年目以降は通常の税率に戻ります。

グリーン化特例は2028年3月31日まで延長

グリーン化特例は2026年4月から2年間延長が決定し、令和10年(2028年)3月31日まで継続されます。ただし燃費基準の要件は見直しが続いており、「旧基準では優遇対象だったが新基準では対象外」という車種が出てきています。2026年時点で優遇対象かどうかは、国土交通省または自動車ディーラーで確認することをお勧めします(最新情報は公式で確認を)。

自動車税と自動車重量税の判断——どちらが何の税か

自動車税と自動車重量税の判断——どちらが何の税か
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「自動車税と自動車重量税、どっちがどっちだっけ?」と混乱する人は多いです。2つはまったく別の税で、課税の根拠も支払いタイミングも異なります。

自動車税(種別割) 自動車重量税
税の種類 地方税(都道府県税) 国税
課税根拠 排気量 車両重量・経過年数
支払い時期 毎年5月末(年1回) 新車登録時・車検時
管轄 都道府県 国(国土交通省)
エコカー減税の対象 グリーン化特例(翌年度軽減) エコカー減税(車検時軽減)
出典:グーネット「自動車税と自動車重量税の違い」

「車検のときに払う税金」は自動車重量税(国税)です。車検代に含まれているため気づきにくいですが、車両重量が重いほど・車が古いほど税額が高くなる仕組みです。例えば自重1〜1.5トンの車(コンパクトカー)は2年車検で年額12,300円(エコカー減税なし)です。

ちなみに住民税の仕組みも都道府県税の一部ですが、自動車税と異なり「前年所得に基づく課税」という点が大きく異なります。

🎣 実用シーン:自動車税の納付書を紛失したら

5月に届いた納税通知書を失くしてしまった——そんな経験はありませんか。あなたが今日できる対応は簡単です。

  1. 都道府県の自動車税事務所(都税事務所など)に電話か窓口で再発行を依頼する:住所と車のナンバーがあれば即日再発行できます。
  2. コンビニのマルチコピー機から再印刷できる場合もある:一部の都道府県では「地方税お支払サイト(eLTAX)」から再印刷が可能です。
  3. 5月31日を過ぎるとすぐ督促状が来る:延滞した場合は年14.6%の延滞金がかかります。早めに対応することが重要です。

知らないと焦りますが、紛失しても再発行できます。「通知書がない→払えない」は間違いで、「再発行してもらえる→5月31日までに払う」が正解です。

📅 時事ネタ:2026年4月の「名称変更」と環境性能割の廃止

2026年に自動車税制度に大きな変化がありました。

①名称変更:2019年に「自動車税」→「自動車税種別割」と変更されましたが、2026年4月1日から再び「自動車税」に戻りました(JAFトレコラム)。「種別割」という名称は分かりにくいという声があり、シンプルな名称に改められた形です。軽自動車税も「軽自動車税種別割」→「軽自動車税」に戻っています。

②環境性能割の廃止:車を購入するときに課税されていた「環境性能割」(取得価額の0〜3%)が2026年3月31日で廃止されました。これにより車の購入時の初期費用が軽減されています。ただし廃止後は各種補助金制度で同等の優遇を行う方向で検討が進んでいます(最新の補助金は国土交通省・経済産業省公式で確認を)。

💡 意外な切り口:電気自動車(EV)は自動車税が「0円」になるのか

「EVは税金ゼロ!」という誤解をよく見かけますが、正確には「翌年度だけ75%軽減」であり、ゼロにはなりません

さらに意外な事実があります。EVは排気量が「0cc」なので従来の排気量課税の枠組みでは課税できないのですが、現行法では「排気量1,000cc以下」と同じ扱いで年25,000円が課税されます(グリーン化特例の翌年度軽減があるのは最初の1年のみ)。つまり「エンジンのない車にエンジンサイズで課税する」という論理的な矛盾があります。

この矛盾は世界的な課題で、各国でEVの課税方法が模索されています。日本では走行距離に応じた課税(「道路税の走行課金化」)が長期的な検討課題として挙がっており、将来的に自動車税の仕組み自体が大きく変わる可能性があります。「今の仕組みが永遠に続くわけではない」と知っておくことは、自動車の乗り方・所有の判断にも関わってきます。

よくある誤解

「軽自動車にも自動車税がかかる」は誤り(正確には別の税)

軽自動車には「自動車税」ではなく「軽自動車税」がかかります。管轄が異なり(市区町村が管轄)、税率も一律10,800円(自家用乗用車の場合)です。排気量区分がないのも特徴です。

「車を売ったら翌月から自動車税が止まる」は半分誤り

廃車(抹消登録)した場合は翌月分から還付されますが、単純に「売る」だけでは名義変更が完了するまで課税が続きます。中古車として売却した場合、ディーラー・売却先が名義変更手続きをするまでの間は元の名義人に課税されます。名義変更手続きが遅れると思わぬ税の二重負担が起きることも。

「自動車税は国が管理している」は誤り

自動車税は都道府県税です。徴収するのも都道府県で、税収は都道府県の道路整備・維持に使われます。国税は「自動車重量税」が担当しています。混同しやすいですが、支払い先・管轄が完全に異なります。

「ハイブリッド車は常にエコカー減税の対象」は誤り

エコカー減税(自動車重量税の軽減)の対象は燃費基準への適合度によって決まります。2025年以降は燃費基準が引き上げられており、一部のハイブリッド車が対象外になるケースも出ています(最新は各メーカー・ディーラーで確認を)。

まとめ:毎年5月の納税書は「排気量×都道府県税」の産物

  • 自動車税は排気量に応じた都道府県税。4月1日時点の所有者に課税、5月31日が支払い期限
  • 2019年10月の税制改正で全排気量区分で減税(小排気量ほど減税幅が大きかった)
  • 2026年4月から名称が「自動車税種別割」→「自動車税」に戻った
  • EV・PHV・天然ガス車は新車登録翌年度の自動車税が75%軽減(グリーン化特例)
  • 自動車重量税は別の「国税」で車検時に支払う。課税根拠は車両重量
  • 電気自動車は排気量「0」だが「1,000cc以下」扱いで年25,000円課税される矛盾がある
  • 納税書を紛失しても再発行可能。5月31日までに必ず支払いを

毎年届く自動車税の通知書が「なぜこの金額なのか」をきちんと説明できるようになりましたか?排気量という昭和の物差しで決まる税が、EVの時代にどう変わっていくのか——この小さな課税制度の変化は、日本のモビリティ政策そのものの変化を映す鏡でもあります。軽減税率の仕組みも合わせて読むと、日本の税体系への理解が深まります。

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📚 参考文献・出典

📖 この記事について 本記事は、社会の制度や法律の”仕組み”を知る面白さをお届けし、世の中のルールに興味を持っていただくための読み物です。個別の法的判断を示すものではなく、制度は改正されることもあります。具体的なケースは専門家や公的機関にご確認ください。

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