PhotoshopとCanvaに見る「AI画像編集革命」：誰でもプロ級デザインを可能にする生成AIの今

画像編集は、いま誰の手にも届く時代に

従来、画像加工やクリエイティブ制作は「プロフェッショナルの専門領域」とされてきました。
しかし2023年以降、AdobeやCanvaをはじめとする主要ツールがAI機能を本格導入したことで、初心者や非デザイナーでも“直感的にプロ品質のビジュアル”を作れる環境が整いつつあります。

特に注目されているのが、Adobe Photoshopの「生成塗りつぶし（Generative Fill）」と、Canvaの「Magic Write」や画像AIツールの台頭です。

Adobeは2023年7月、日本語プロンプト入力への対応を発表し、国内ユーザーの活用範囲が一気に広がりました。一方、CanvaはSNSやプレゼン資料制作の現場で支持を拡大し、AIによる文書生成・画像拡張・背景除去などをワンクリックで実行できるプラットフォームとして急成長中です。

本記事では、両者の機能・特徴・使用感・適合ユーザー層を比較し、あなた（もしくは上長）にとって最適な選択を導き出します。

Photoshop「生成塗りつぶし」とは何か？

2023年からAdobe Photoshop（β版）に実装されたAI機能「生成塗りつぶし（Generative Fill）」は、画像の一部をAIで自動補完する技術だ。
例えば、トリミングして余白ができた部分をAIが自然に埋めてくれる。しかも、プロンプトで「森の中」「夕焼けのビーチ」などのイメージ指定ができるようになっており、元画像と自然に馴染む結果が得られる。

✅ポイント

空白部分を“自然に”生成

任意のイメージで追加補完

β版では日本語入力にも対応（2023年7月以降）

さらに、プロンプトなしでも「Generate」ボタンを押すだけで、AIが最適な画像を提案してくれるというお手軽さも人気の理由だ。

Macユーザーは注意？プロンプト入力の「Enterキー問題」

Photoshop β版（Mac）では、プロンプトを入力中にEnterキーを押すと即時生成が始まるという仕様がある。日本語入力では、変換確定のためにEnterを多用するため、意図しないタイミングで生成が走ってしまうバグのような挙動がある。
Adobeはこの点について「今後のアップデートで修正予定」としており、リリース時点では注意喚起が必要なポイントだ。

Canvaの「Magic Write」や「AI画像生成」機能も侮れない

一方で、よりカジュアルかつ直感的なAI活用が可能なのがCanvaだ。

文書作成アシスタント「Magic Write」では、SNS投稿文や商品紹介文などを数秒で自動生成できる。
加えて、画像系では背景除去、オブジェクト削除、画像拡張などもAIによってワンクリックで可能。しかもブラウザで動作し、PCのスペックを選ばない。

CanvaのAIは、「誰でもデザインできる社会を作る」という思想に基づいて設計されている。
つまり、技術や経験に関係なく“完成に近いもの”をスピーディに生成することに特化しているのだ。

✅想定される活用シーン

Instagram投稿のビジュアルをすばやく用意したい
スライド資料に合う画像をテンプレから作りたい
文字と画像を組み合わせたバナーをAIで設計したい

直感操作と即戦力、これがCanvaの強みだ。。

Photoshop vs Canva：どちらを選ぶべき？

観点	Photoshop	Canva
AI補完精度	非常に高い（商用品質）	一般的用途には十分（やや柔らかめ）
操作の自由度	プロフェッショナル向けに高い	初心者に優しいUI
推奨環境	高性能PCが望ましい	ブラウザ上で軽快に動作
対応プロンプト	英語・日本語（β）	英語中心（画像生成は簡易化）
価格帯	月額制・Creative Cloud契約が必要	無料プランでも一部AI機能利用可能