
地球上で最も深い穴とは?
私たちが普段暮らしている地球の表面。しかし、その下には未知の世界が広がっています。地球の中心まで掘り進むことはできるのでしょうか?この疑問に挑戦したのが、コラ半島超深度掘削坑です。この記事では、地球上で最も深い人工の穴について掘り下げていきます。
引用元情報
- Wikipedia: モホール計画
- Wikipedia:コラ半島超深度掘削坑
人類はどこまで掘れるのか?
人間は古代から地下へと掘り進んできました。金、銀、ダイヤモンドなどの鉱物を採掘するために作られた鉱山の中には、数百メートルにも及ぶものがあります。しかし、地球の内部構造を探るために、人類が最も深く掘り進めた穴がロシアのコラ半島に存在します。
コラ半島超深度掘削坑とは
1970年、ソビエト連邦は地球の地殻を深く掘削する科学プロジェクトを開始しました。目的は、
- 地球の内部構造を解明する
- 地殻深部の地質学的データを収集する
- 地球の形成や進化をより深く理解する というものでした。
このプロジェクトは、コラ半島のペチェングスキー地区で進められ、20年以上の掘削を経て、最終的に深さ12,262メートルに到達しました。これは、地球上で最も深い人工の穴として現在も記録を保持しています。
掘削の技術的課題

地球の深部に向かって掘り進めることは、予想以上に困難な作業でした。最も大きな問題は、高温です。
温度の問題:
- 当初の予想では、地下12km地点の温度は100℃程度と考えられていました。
- しかし、実際には180℃にも達し、さらに深く掘削すると300℃を超える可能性がありました。
- この高温により、掘削機械の金属部品が軟化し、通常のドリルでは掘り進めることが困難になりました。
地質の問題:
- 地下深部では、岩石が想像以上に柔らかくなっていた。
- 深く掘り進めると、岩石が自重で押しつぶされ、掘削坑の崩落の危険がありました。
- このため、掘削孔を安定させるための技術が必要でした。
このような技術的な課題に直面しながらも、ソビエト連邦の研究者たちは試行錯誤を繰り返しながら掘削を続けました。