
想像を超えた特異な生物である人類。大きな脳や対立する親指といった特別な体の構造や能力により、私たちは劇的に世界を変え、さらには地球を飛び出すことさえ可能にしてきました。科学者たちの研究により、他の動物と比べて人間を特別にしている要素が明らかになってきているようです。
Top 10 things that make humans special
https://www.livescience.com/15689-evolution-human-special-species.html
「人間は様々な点で特異な存在です」と語るのは、アメリカ自然史博物館の研究者たち。当たり前すぎて見過ごしていた特徴の中に、私たちの独自性を示す重要な証拠が隠されているとのことです。
◆言語によるコミュニケーション能力

なぜ類人猿は人間のように話せないのか。この疑問に対する答えは、脳の構造にあります。イギリスのアングリア・ラスキン大学で進化生物学の准教授を務めるJacob Dunn博士によると、2018年のFrontiers in Neuroscienceの研究で驚くべき発見があったとのこと。霊長類は行動の随意制御を担う大脳皮質連合野と、発声に関与する筋肉をコントロールする脳幹核が大きいほど、より豊かな音声レパートリーを持つことが判明したそうです。
◆直立二足歩行という特殊な移動方法

人類は霊長類の中で唯一、完全な直立二足歩行を主な移動手段としています。この特徴により、道具を使用するために手を自由に使えるようになった一方で、意外な代償も払うことになったようです。Live Scienceの報告によると、大きな脳を持つ赤ちゃんの出産が、他の動物と比べて著しく危険なものとなってしまったのです。さらに、腰痛などの問題も人類特有の悩みとして現代まで引き継がれているとのことです。
◆「裸の猿」の意外な真実

一見すると他の類人猿と比べて体毛が少なく見える人間ですが、2018年のJournal of Human Evolutionの研究で驚くべき事実が明らかになりました。人間の皮膚1平方インチあたりの毛包の数は、チンパンジーと同程度だというのです。Live Scienceの過去の記事によると、約200万年前、人類の祖先は体毛を小さくする適応と、汗腺を増やす適応を同時に獲得したとされています。
◆衣服を着用する唯一の動物

「裸の猿」と呼ばれる人類ですが、私たちは衣服を身につける唯一の動物でもあります。この特徴は他の生物の進化にも影響を与えているようです。Biology Lettersの2011年の研究によると、人体シラミは他の種と異なり、毛髪ではなく衣服に付着して生活することが確認されています。
◆驚異的な脳の発達
人間の特徴の中で、最も際立っているのが脳の発達です。Journal of Human Evolutionの2018年の研究によると、人間の脳は体重のわずか2%程度しかありませんが、全身のエネルギーの25%以上を消費しているとのこと。特に大脳皮質は脳の質量の80%以上を占め、約1000億個のニューロンを含んでいると、Frontiers in Human Neuroscienceの2009年の研究で報告されています。
◆高度な器用さを持つ手
多くの霊長類が対立する親指を持っていますが、人間の親指は特別です。「人間の親指は他の指に完全に届くほど長く、これにより精密な作業が可能になっている」とアメリカ自然史博物館の研究者は説明します。この特徴により、野球のカーブボールを投げることから、ペンで名前を書くことまで、驚くほど多様な作業が可能になっているのです。
◆火の使用による進化
Live Scienceの報告によると、人類は約100万年前から火を使用していたとされていますが、約40万年前になると、アフリカ、アジア、ヨーロッパ、中東でその使用が広く確認されるようになります。火の使用は夜間の視界確保や捕食者からの防御だけでなく、食物の調理を可能にし、人類の進化に大きな影響を与えたと考えられています。
◆赤面する唯一の生物

チャールズ・ダーウィンが「最も特異で人間らしい表現」と呼んだ赤面は、人類にのみ見られる特徴です。カーディフ大学社会科学部のRay Crozier名誉教授によると、「赤面には他者の気持ちを理解する能力、つまり社会的状況に対する知性が必要」とのこと。これは人間の高度な感情知性を示す証拠かもしれません。
◆長い子育て期間と祖父母の存在
人類の子どもは他の霊長類と比べて約2倍の成長期間を必要とします。この特徴は、大きな脳を持つ他の生物でも確認されているそうです。Journal of Comparative Neurologyの2018年の研究では、脳の発達と成長期間に密接な関係があることが示されています。さらに特筆すべきは、人間が子育て期間を過ぎても長く生きることです。Current Biologyの2009年の研究によると、50〜75歳の祖母がいる場合、赤ちゃんの生存率が向上することが確認されており、これは人類特有の社会的絆の重要性を示しているとのことです。
この研究はこれまで当たり前だと思っていた人間の特徴が、実は私たちを特別な存在にしている重要な要素であることを示しています。今後の研究でさらに新しい発見があるかもしれません。
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