
『ドラゴンクエストIII そして伝説へ…』は、1988年に発売されて以来、世代を超えて愛され続けている名作RPGです。そして今、ドラクエ3のリメイク版であるHD-2D版の発売が発売され、再び注目を集めています。しかし、ゲームの開発過程では、さまざまなアイデアや要素が検討されながらも、最終的にカットされたデータが数多くあります。本記事では、ゲームに残された未使用データや、公式資料に記された幻のアイテム・モンスター・地名などをわかりやすく紹介していきます。
幻の没アイテム
すいしょうだま(水晶玉)
初期の開発資料では「ノアニール」で入手可能だったアイテム。最終版ではカットされました。
しのオルゴール(死のオルゴール)
戦闘中に使用すると、敵味方問わず全滅するアイテム。データ上には存在するものの、通常プレイでは入手不可。
ちいさなメダル
ドラクエ4以降で導入された「ちいさなメダル」ですが、実はドラクエ3のデータ内にも存在。使用用途は不明。
さとりのしょ(悟りの書)の没効果
開発初期では「僧侶専用アイテム」として設計されており、使用すると最大MPが10〜15増加する仕様だった。
けんじゃのいし(賢者の石)の入手場所
本来は「地球のへそ」で入手できるアイテムだった。さらに、職業ごとに見つかるアイテムが異なるシステムも構想されていた。
幻の没地名
ムー大陸
初期構想では、ドラクエ3の上の世界が「ムー大陸」と呼ばれていた。地図も現実の世界地図に似せて作られていた。
レイクナバ
当初は登場予定だった町で、魔法の鍵を盗まれるイベントがあり、それを解決すると「魔法のランプ」が手に入る予定だった。
初期設定の地名変更
初期資料によると、以下の地名が開発段階で変更されていたことが判明しています。
- アリアハン大陸 → ムー大陸
- レーベの村 → レーベンス村
- ノアニール → ノアール
- ロマリア → ロマリス
- カザーブ → カザール
- ダーマ神殿 → ダーマ神殿(変更なし)
- グリンラッド → グリーンランド
幻の没モンスター
リザードマン
ドラクエ5にも登場するが、開発段階ではドラクエ3用にデザインされていた。
アーサーシオン
ドラゴンボールのウーロンのようなデザインのモンスターで、力士がモチーフとされる説もある。
キングサタン
ベビーサタンが成長した姿としてデザインされていたが、最終版では未使用。
ハンドウッド
ドラクエ2の「じんめんじゅ」に似たデザイン。悪魔の樹木をテーマにしていた可能性がある。
幻の没BGM
開発初期の段階で、3つの未使用BGMが発見されています。そのうちの1つは「スイスの村」という曲名で、当初は特定の村で使用される予定だったが、村自体が削除されたため没となりました。
幻の没ネーム
開発初期に使用されていた名前が、最終版では変更されています。
- マホテスマ → マホカンタ
- 玄武 → ガメゴン
- 死刑執行人 → エリミネーター
- ユニコンラット → アルミラージ
まとめ
ドラクエ3には、開発の途中で削除されたアイテムやモンスター、地名などが数多く存在します。これらのデータは、ゲームの世界観をより深く理解するための貴重な資料とも言えるでしょう。特にHD-2D版のリメイクによって、新たな要素が追加される可能性もあり、没データがどのように生かされるかにも注目が集まります。もし没データがそのまま採用されていたら、どのような冒険が待っていたのか……。そんな想像を膨らませながら、ドラクエ3の世界を再び楽しんでみてはいかがでしょうか。