🎮Gym Retroで強化学習を始める方法:レトロゲームで学ぶAI

Gym Retroは、OpenAIの強化学習用ライブラリGymの拡張バージョンで、レトロゲームを強化学習の環境として利用するためのツールです。これを利用すれば、メガドライブファミコンといった懐かしいゲームを使って、エージェントにreinforcement learning(強化学習)を学ばせることができます。このガイドでは、Gym Retroのインストールからゲーム環境の設定、エージェントの作成、学習アルゴリズムの適用方法まで、順を追って解説します。

Gym Retroとは?強化学習を支えるゲーム環境の基本

Gym Retroとは?強化学習を支えるゲーム環境の基本
※画像はイメージです

Gym Retroは、OpenAIが提供するGymライブラリを拡張し、懐かしいレトロゲームを強化学習の環境として提供するツールです。これにより、ユーザーはゲームの状態を元にaction(アクション)を選び、その結果として得られるreward(報酬)をもとに学習を進めるエージェントを作成できます。reinforcement learningでは、エージェントが行うactionによって環境からrewardを受け取り、次第にその行動を最適化していきます。

Gym Retroのインストール方法とセットアップ

Gym Retroのインストール方法とセットアップ
※画像はイメージです

まず、Gym Retroをインストールするための準備が必要です。Pythonが必要なので、以下のコマンドでインストールします。

bashコピーするpip install gym-retro

インストールが完了したら、Python環境で以下のようにコマンドを実行し、gameを選んでstate(ゲームの開始状態)を設定することで、強化学習環境をセットアップできます。

エージェントの作成とゲーム環境での学習

エージェントの作成とゲーム環境での学習
※画像はイメージです

次に、Gym Retroを使ってゲーム環境を作り、エージェントを訓練します。たとえば、エイリアンソルジャーなどのアクションゲームでは、エージェントがactionを選択して、ゲーム内で動きます。エージェントは、選択したactionに対して得られるrewardを学習し、最適な行動を見つけ出します。

以下は、Pythonでの簡単な実行コードです。エージェントがactionをランダムに選び、ゲーム内でrewardを得ながら学習します。

pythonコピーするimport retro

# ゲーム環境の作成
env = retro.make(game='AlienSoldier-Genesis', state='DefaultSettings.Level1')

# 環境のリセット
obs = env.reset()

# 1エピソードの実行
while True:
    action = env.action_space.sample()  # ランダムにアクションを選択
    obs, reward, done, info = env.step(action)
    env.render()  # 環境の表示
    if done:
        obs = env.reset()

Gym RetroにおけるゲームROMのインポートと管理

Gym RetroにおけるゲームROMのインポートと管理
※画像はイメージです

Gym Retroを使用する際には、ゲームROMが必要です。ROMは、購入したゲームのデータファイルです。ゲームのROMファイルを./roms/フォルダに配置し、以下のコマンドでインポートします。

bashコピーするpython -m retro.import ./roms/

インポートされたゲームは、強化学習に使用できるようになります。

学習アルゴリズムと報酬関数の活用

学習アルゴリズムと報酬関数の活用
※画像はイメージです

Gym Retroで強化学習を行うためには、reward functionが重要です。エージェントが行動するごとにrewardが与えられ、これを最大化するためにactionを選んでいきます。例えば、エイリアンソルジャーでは、得られるスコアや生存時間をrewardとして設定し、エージェントはその最大化を目指します。

学習には以下のような学習アルゴリズムを使用します。

bashコピーするpython -m retro.examples.brute --game AlienSoldier-Genesis --state DefaultSettings.Level1

このコマンドは、基本的な学習アルゴリズムを実行し、エージェントがどのようにゲームを学習していくのかを確認できます。

ゲームの学習結果を再生

ゲームの学習結果を再生
※画像はイメージです

学習が進んだ後、best.bk2というファイルに学習結果が保存されます。このファイルを使って、学習したエージェントがゲーム内でどう動いたかを再生することができます。再生は以下のコードで行います。

pythonコピーするimport retro

movie = retro.Movie('./best.bk2')
movie.step()

env = retro.make(game=movie.get_game(), state=None)
env.initial_state = movie.get_state()
env.reset()

while movie.step():
    keys = []
    for p in range(movie.players):
        for i in range(env.num_buttons):
            keys.append(movie.get_key(i, p))
    env.step(keys)
    env.render()

結論:Gym Retroで強化学習を始めよう

結論:Gym Retroで強化学習を始めよう
※画像はイメージです

Gym Retroを使うことで、レトロゲームを活用したreinforcement learningを簡単に始めることができます。ゲーム環境のセットアップからエージェントの学習まで、初心者にもわかりやすい方法で進められるため、強化学習に興味がある方には最適なツールです。実際に手を動かしながら学ぶことができ、ゲームを通じてrewardを最大化する方法を学べるので、より実践的な学習ができます。

引用元

“Hands-on Guide To Creating RL Agents Using OpenAI Gym Retro”

“Integrating New Games into Retro Gym”

“Reinforcement Learning Part 2: Configuring a Retro Gaming Environment”