任天堂、コスタリカのスーパー「スーパーマリオ」との商標争いで敗北?

小さなスーパーがゲーム業界の巨人に勝利

コスタリカの小さなスーパーマーケット「スーパーマリオ」が、世界的なゲーム企業・任天堂との商標権争いに勝利しました。この出来事は、地元の小規模事業者が大企業に打ち勝った「現代のダビデとゴリアテ」として注目を集めています。

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商標争いの背景

「スーパーマリオ」は、コスタリカのサン・ラモンにある食料品店で、オーナーのホセ・マリオ・アルファロ・ゴンザレス氏が2013年に「スーパーマリオ」の商標を登録しました。しかし、2024年3月に商標の更新を試みた際、任天堂の米国法人が異議を申し立てました。

任天堂は、「スーパーマリオ」の名称が自社の人気キャラクターと混同される可能性があると主張。さらに、店舗が基本的な食料品以外の商品も販売し、宣伝に「マリオ」の画像を使用していることが問題視されました。

コスタリカ当局の判断

この異議申し立てに対し、ゴンザレス氏の弁護士は、店舗が登録されたカテゴリー内でのみ営業しており、任天堂の製品を宣伝しているわけではないと反論。さらに、「スーパー」という言葉はコスタリカでは一般的にスーパーマーケットを意味し、任天堂の「スーパーマリオ」とは無関係であると主張しました。

2024年11月、コスタリカの商標登録機関は、任天堂の異議申し立てには根拠がないと判断し、ゴンザレス氏の商標更新を正式に認めました。これにより、「スーパーマリオ」の名称は引き続き店舗で使用できることが確定しました。

法廷訴訟ではなく行政判断

なお、当初は「任天堂が敗訴」と報じられましたが、最新の情報によれば、これは法廷での訴訟ではなく、コスタリカの行政手続きにおける商標登録の更新に関するものであることが明らかになっています。任天堂は、「これは裁判ではなく、商標の異議申し立てが認められなかったということ」とコメントしています。 (Biz Journal)

このため、当初報じられた「任天堂が敗訴した」という表現は正確ではなく、実際には商標の更新手続きにおいて、任天堂の異議申し立てが認められなかったということになります。

地元ビジネスの勝利と知的財産権のバランス

この決定により、ゴンザレス氏は自身のFacebookで喜びを表明し、地元の支持者たちと勝利を祝いました。この結果は、小規模事業者が大企業に対抗し、正当な権利を守ることができることを示しています。

一方で、任天堂は近年、知的財産権の保護に積極的であり、特にエミュレーションや特許に関する訴訟で知られています。しかし今回のケースでは、商標権の独占が必ずしも許されるわけではないことが証明されました。

この件は、知的財産権の保護と地元ビジネスの権利とのバランスを考える上で、引き続き注目されるでしょう。