🎨デザイナー志望なら必修!?色彩感覚を鍛え「Color experiment」で人間の視覚と教育を再発見する


色の違い、あなたはどれだけ見分けられますか?

色の違い、あなたはどれだけ見分けられますか?
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「この服、グレーだよね?」「いや、青でしょ!」こんな会話をした経験がある人は少なくないでしょう。
色というのは不思議な存在で、人によって見え方が微妙に異なります。そんな「色の認識力」をゲーム感覚で試せるのが、今回紹介する「Color experiment」です。プレイヤーは3つの円の中から1つだけ違う色を見つけ出すという、いたってシンプルなルール。しかしこのゲーム、実は単なる暇つぶしにとどまりません。色彩教育、デザイン訓練、さらには視覚神経の理解にも役立つ“科学的”で“教育的”な側面を秘めているのです。


人間の視覚は「三原色」で世界を捉えている

人間の視覚は「三原色」で世界を捉えている
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人間の網膜には、波長の異なる光を検知する「錐体細胞」が3種類存在しています。それぞれL(赤系)、M(緑系)、S(青系)に対応しており、これらが受け取った信号を脳内で統合することにより、無限とも言える色の世界が私たちの目に映し出されます。

しかし、全ての人がこの三原色を同じように処理しているわけではありません。例えば、先天的な色覚異常(いわゆる「色弱」)を持つ人は、日本人男性の約5%、女性では0.2%程度と推定されています。彼らの視覚世界は、健常者とは異なる色のマッピングをしている可能性があるのです。

そのため、色の違いを問うこのゲームは、視覚神経系の“健全さ”や“特徴”をセルフチェックできる貴重な機会にもなります。実際、ゲーム内で使用されている色コード(例:「#344ca5」や「#3149af」)の差異は、色覚が正常な人でも瞬時に見分けるのは難しいレベルに設定されており、プレイ体験そのものが「視覚実験」と言っても過言ではありません。


教育現場で「視覚の個人差」を伝える有効なツールに

教育現場で「視覚の個人差」を伝える有効なツールに
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近年、教育現場では「多様な学び方」が重視されており、視覚や聴覚の個人差も無視できない要素となっています。特に美術や図工といった「色」を扱う授業では、色覚の違いが学習内容に大きな影響を与える可能性があります。

たとえば、教科書で使われている図や配色が、色弱の生徒にとっては全く区別がつかないこともあります。「Color experiment」のような視覚テストを授業に取り入れることで、生徒自身が「自分はどんな色の見え方をしているのか」を把握し、教師側も個々の違いに応じた指導が可能になります。

また、このゲームはインストール不要で無料、ブラウザ上で即時実行できるという点でも教育現場向きです。iPadやPCを活用するICT教育との親和性も高く、視覚的なワークショップや感覚トレーニングにも応用できます。


デザイン教育における「微差の感知力」育成

デザイン教育における「微差の感知力」育成
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デザインとは、色と形によってメッセージや世界観を伝える作業です。その中でも、色の“微差”を感知できるかどうかは、作品のクオリティを大きく左右します。

「Color experiment」は、見た目にはほとんど同じ色の中から“違う1色”を見分けることを延々と繰り返します。これはデザイナーが「どのトーンを選ぶか」「コントラストをどう出すか」を判断する際に必要となる、色彩感覚の精度を鍛えるトレーニングそのものです。

実際、Hacker News上では「デザイナーなら最低18問以上正解すべき」といった声があり、プロ・セミプロの間で「色を見る力」の確認ツールとして注目されています。アートスクールやビジュアル系の専門学校における、初級色彩トレーニング教材としても十分に活用できるでしょう。


視覚科学・認知心理学の研究にもつながるゲーム体験

視覚科学・認知心理学の研究にもつながるゲーム体験
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視覚に関する学術的な研究では、網膜から大脳皮質の視覚野に至る情報処理のメカニズムが、詳細に解明されつつあります。とりわけ「色知覚の曖昧さ」や「錯覚」の研究は、認知心理学と交差し、脳の情報処理モデルの構築にも大きく貢献しています。

「Color experiment」で体感できるのは、まさにこの“曖昧さ”の世界です。照明条件、ブルーライトカット設定、モニターの品質、どれか一つでも違えば正解の色がわからなくなる可能性があります。これは視覚が「絶対的な機能」ではなく、「環境に左右される相対的なシステム」であることを示す、極めて科学的な示唆を含んでいるのです。


結論:色の世界を、もう一度信じてみる

結論:色の世界を、もう一度信じてみる
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私たちは当たり前のように「色」を見ています。しかし、その色が隣の人にも同じように見えている保証はありません。
「Color experiment」は、そんな色の不確かさと美しさを、誰でも簡単に体験できるゲームです。

教育現場では「気づき」の教材として。デザイン現場では「訓練」の道具として。
そして科学の世界では「実験」の入口として。色彩感覚という一見あいまいな能力が、こんなにも多面的な価値を持っていることに、きっとあなたも驚くはずです。

ぜひ一度、色の迷路に挑戦してみてください。あなたの「色の目」が、どこまで届くのか──試してみましょう。

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