流れ星を見たことがあっても、あの光の正体をうまく説明できる人は多くないはずです。私も、星が落ちてくるのだと長いあいだ思っていました。
2026年10月は、オリオン座流星群が極大になる月です。国立天文台は、極大を10月22日ごろとしています。この記事では、流れ星は何が光っているのか、流星群はなぜ毎年同じ時期に来るのか、2026年はどんな条件で見えるのかを、国立天文台の資料をもとに整理します。数字は2026年10月時点で確認できたものです。
- 流れ星の元は、直径1ミリメートルから数センチメートル程度のチリの粒
- 流星群が毎年同じころに来るのは、地球が彗星の通り道を毎年同じ時期に横切るから
- オリオン座流星群の母天体はハレー彗星で、見える数は1時間に5〜10個程度
- 2026年は月明かりがあるので、月が沈む未明がねらい目
流れ星は、何が光っているのか
流れ星を、空から星が落ちてくる現象だと思っている人は少なくありません。私もそうでした。ところが国立天文台の説明は、もっと地味で、そして意外です。
元になるのは砂粒ほどのチリ
国立天文台によると、流星(流れ星)とは、宇宙空間にある直径1ミリメートルから数センチメートル程度のチリの粒が地球の大気に飛び込んできて、大気と激しく衝突し、高温になってチリが気化する一方で、大気や気化したチリの成分が光を放つ現象です。
夜空を横切る一本の光の元が、ごま粒から小石ほどの粒だというのは、何度読んでも不思議な感じがします。星が落ちているわけではなく、小さな粒が大気にぶつかって燃え尽きているだけです。
光る高さは、地面から数十キロメートル
国立天文台のFAQでは、流星は地面から高さ数十キロメートルのところで光っていて、たいていは大気との摩擦で蒸発してしまい、地面まで達することはほとんどないと説明されています。見え方は、条件がそろえば1秒以下から長くても5秒程度。まれに10秒程度見える流星もあります。
夜空の高いところで、ほんの一瞬だけ光る。流れ星に願い事をするのが難しいのは、この短さのせいです。
流星群はなぜ毎年同じころに現れるのか
流れ星は、流星群でない夜にも見えます。国立天文台のFAQにも、天の川が見えるような空が暗い場所で一晩中空を眺めていれば、たいてい何個かの流れ星を見ることができると書かれています。では、流星群は何が違うのでしょうか。
彗星が残したチリの帯を、地球が横切る
国立天文台の説明では、彗星は軌道上にチリの粒を放出していて、チリの粒の集団は、それを放出した彗星の軌道上に密集しています。彗星の軌道と地球の軌道が交差していると、地球がその位置にさしかかったときに、チリの粒がまとめて大気に飛び込んできます。これが流星群です。
地球が彗星の軌道を横切る日時は毎年ほぼ決まっています。だから、毎年特定の時期に特定の流星群が出現します。流星群のカレンダーは、地球が公転する道筋のどこで彗星の通り道と交わるかを、日付で書いたものだと考えると分かりやすくなります。
オリオン座流星群の親は、ハレー彗星
国立天文台の「主な流星群」のページでは、オリオン座流星群の母天体はハレー彗星と書かれています。極大は10月21日ごろとされています。同じハレー彗星を母天体とする流星群がもう一つあり、みずがめ座η(エータ)流星群で、極大は5月6日ごろです。
5月6日から10月21日までの日数は、5月の残り25日、6月30日、7月31日、8月31日、9月30日、10月の21日を足して168日です。
この間隔は、およそ半年です。ハレー彗星の通り道を、地球は一年に二回、軌道の反対側あたりで横切っているのだと思います。一つの彗星が、春と秋に別々の流星群を作る。調べていて、いちばん納得がいった部分でした。
ほかの流星群の親も、彗星
国立天文台の一覧には、ほかの流星群の母天体も載っています。
| 流星群 | 母天体 | 極大の時期 |
|---|---|---|
| 4月こと座流星群 | サッチャー彗星 | 4月22日ごろ |
| みずがめ座η流星群 | ハレー彗星 | 5月6日ごろ |
| オリオン座流星群 | ハレー彗星 | 10月21日ごろ |
| おうし座流星群 | エンケ彗星 | 11月5日・12日ごろ |
| しし座流星群 | テンペル・タットル彗星 | 11月18日ごろ |
| ※出典:国立天文台「主な流星群」。母天体が記載されている流星群のみ抜粋 | ||
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2026年のオリオン座流星群は、いつ・どれくらい見えるのか
極大は10月22日ごろ、数は1時間に5〜10個程度
国立天文台の2026年10月のカレンダーには、22日ごろにオリオン座流星群が極大とあります。見ごろは、極大を中心とした前後数日間の夜半から未明です。流星の数の目安は、1時間に5〜10個程度とされています。
なお、国立天文台の「主な流星群」のページには極大が21日ごろ、2026年のカレンダーには22日ごろと書かれています。見ごろは前後数日間なので、どちらの夜に外へ出ても大きな差はないと考えてよいでしょう。
月明かりは、未明に月が沈むまで
2026年10月の月は、19日が上弦、26日が満月です。極大のころは、半分より少し太った月が夜のあいだ空に残っています。国立天文台は、未明に月が沈んだ後は条件が良いとしています。つまり、2026年は夜更かしより、月が沈んだあとの未明がねらい目です。
月の形が日ごとに変わる理由は、月の満ち欠けの仕組みで詳しく書いています。月の形が分かれば、月が沈む時刻のおおよその見当もつきます。
「5〜10個」は、いちばん良い条件での最大の目安
見落としがちなのが、この数字の意味です。国立天文台の注記によると、流星の出現個数は、見ごろの時期に、天の川が見えるような暗い空で一般の方が観察したときに、1時間あたりに見られる最大の流星数の目安です。街明かりの中で観察したり、見ごろでない時期に観察したりした場合は、数分の1になることがあります。
放射点とは何か、なぜ夜半から未明が見ごろなのか
流星が飛び出して見える一点
流星群のチリの粒は、みな同じ方向から、ほぼ平行に地球の大気へ飛び込んできます。それを地上から見ると、星空のある一点から放射状に飛び出すように見えます。この中心の点が放射点で、放射点のある星座の名前をとって「オリオン座流星群」のように呼ばれます。
放射点が高いほど、数は増える
国立天文台によると、放射点が地平線付近にあるときは、チリが大気にななめから飛び込んでくるため、流星はほとんど出現しません。流星群の活動の活発さが変わらないと仮定すると、放射点の高度が高くなるにしたがって、流星の出現数は多くなります。
夜半から未明が見ごろだとされるのは、このためだと考えられます。ただし、「夜半から未明」と放射点の高さを結びつけたのは、国立天文台の文章が直接そう書いているわけではなく、二つの説明を並べた私の読みです。
見る方向は、気にしなくていい
放射点のほうを見なければいけない、と思われがちです。国立天文台の観察方法のページには、見る方向を気にする必要はないと書かれています。ただし、月のある方向を正面にして観察するのは避けたほうがよいとされています。
流れ星を見つけるには、何を準備すればいいか
目が慣れるまで、15分ぐらい待つ
国立天文台は、屋外に出て流星が見えないからといってすぐにあきらめず、目が慣れるまで15分ぐらい待つことを勧めています。レジャーシートなどを用意して、寝転がったまま観察できるようにしておくと、楽に長時間観察を続けられます。
2時間で何個くらい見えるか
目安の1時間に5〜10個を使うと、2時間で10〜20個です。目が慣れるまでの15分を足すと、外にいる時間は2時間15分になります。
これはいちばん良い条件での数字なので、街明かりがあればこれより少なくなります。それでも、一晩に数個は見られると考えて、まず寒さ対策をしてから出かけるのが現実的です。あなたが都市部に住んでいるなら、人工の明かりが少ない場所まで少し足を延ばすだけで、見える数は変わるでしょう。私の部屋は中央線沿線の賃貸で、窓から見える夜空は星がまばらです。だからこそ、暗い場所に出たときの違いにはいつも驚きます。
火球・流星の色・流星痕という「おまけ」の現象
とくに明るい流星は「火球」
流星のなかでも特に明るいものは火球と呼ばれます。定義は決まっていませんが、マイナス4等程度より明るい流星を火球と呼ぶことが多いようです。日本全国で平均すると、1ヶ月に数個程度の頻度で目撃されています。
色がつくのは、光っている物質が違うから
国立天文台のFAQには、流星に色がついて見えることもあると書かれています。どんな分子や原子が発光しているかによって色が変わり、マグネシウムなら緑、酸素なら緑、窒素なら赤などが見えることがあります。
光った後に雲のような跡が残ることもある
非常に明るい火球が流れた跡には、流星痕と呼ばれる、淡く光る雲のようなものが、数秒から、ときには数十分にわたって残ることもあります。
見えた光が流星かどうか迷うこともあります。流星と人工衛星の落下は、見た目だけでは簡単に区別できないと国立天文台は説明しています。見えていた時間が1秒以下から長くても5秒程度で、飛行機よりはるかに速く動き、空が十分に暗かったなら、流星の可能性が高いとされています。
デメリットと注意点:期待しすぎないほうがいい理由
数は少なめで、街明かりで減る
オリオン座流星群は、1時間に5〜10個程度という、にぎやかとは言えない流星群です。次々と流れるイメージで出かけると、がっかりするかもしれません。街明かりの中では、数分の1になることがあります。
月明かり・寒さ・夜更かし
2026年は、上弦から満月に向かう明るい月が夜のあいだ空にあります。空が明るいと、暗い流星は見えにくくなります。未明に外にいる時間が長くなるので、防寒着や寝袋などの寒さ対策も必要です。国立天文台も、寒さ対策が重要だと述べています。暗い場所での足元や、帰り道の安全にも気をつけてください。
よくある誤解
誤解1:流れ星は、星が落ちている
流れ星の元は、直径1ミリメートルから数センチメートル程度のチリの粒です。恒星のような天体が落ちているわけではありません。
誤解2:流れ星は地面の近くまで落ちてくる
とても明るい流星を見ると、すぐ近くに落ちたように見えることがあります。実際には、流星は地面から高さ数十キロメートルのところで光っていて、たいていは蒸発してしまい、地面まで達することはほとんどありません。隕石の落下は、数年に一度程度という低い頻度です。
誤解3:放射点の方向だけを見ればいい
見る方向は気にしなくてかまいません。月を正面にしない、広く空を見る、という点を押さえるほうが大切です。
観察に出るか迷ったときの判断基準
最後に、2026年10月に実際に出かけるかどうかを、状況別に整理します。上で紹介した国立天文台の条件を、そのまま当てはめた表です。
| あなたの状況 | おすすめの動き |
|---|---|
| 街明かりの多い場所に住んでいる | 暗い空の場所まで出る。街明かりの中では数分の1になる |
| 夜更かしが苦手 | 月が沈んだ後の未明に、短時間だけ |
| 初めて流星群を見る | レジャーシートと防寒着を用意し、15分ぐらいは目を慣らす |
| ※出典:国立天文台「ほしぞら情報 2026年10月」「流星群の観察方法」 | |
私は、流れ星を見るために夜更かしをする人の気持ちが、この記事を書くまで半分しか分かっていませんでした。砂粒ほどのチリが数十キロメートル上空で燃え尽きる光を、ハレー彗星が残した帯の中で見ていると知ってから、同じ流れ星でも見え方が変わりました。
まとめ:オリオン座流星群を知って、10月の夜空を見上げる
流れ星の正体は、直径1ミリメートルから数センチメートル程度のチリの粒が大気に飛び込み、高温になって光る現象です。流星群は、彗星が残したチリの帯を、地球が毎年ほぼ同じ時期に横切ることで起こります。オリオン座流星群の母天体はハレー彗星で、2026年の極大は10月22日ごろ、見える数は1時間に5〜10個程度です。
2026年は月明かりがあるので、月が沈んだ後の未明に、暗い場所で15分ほど目を慣らしてから空を広く眺めるのがいちばん確実です。最新の観察情報は、国立天文台のほしぞら情報でご確認ください。
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📊 「オリオン座流星群はハレー彗星のチリ?流れ星が毎年10月に見える仕組みを解説」はこんな人に読まれています
参考文献・出典
- ・国立天文台「流星群」 https://www.nao.ac.jp/astro/basic/meteor-shower.html
- ・国立天文台「主な流星群」 https://www.nao.ac.jp/astro/basic/major-meteor-shower.html
- ・国立天文台「流星群の観察方法」 https://www.nao.ac.jp/astro/basic/obs-meteor-shower.html
- ・国立天文台「東京の星空・カレンダー・惑星(2026年10月)」 https://www.nao.ac.jp/astro/sky/2026/10.html
- ・国立天文台「私が見たものは流れ星だったのでしょうか?」 https://www.nao.ac.jp/faq/a0501.html
- ・国立天文台「流れ星はいつ見える?」 https://www.nao.ac.jp/faq/a0502.html










































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