2025年は十二支の中でも神秘的な存在とされる巳年(蛇年)。蛇は古くから脱皮を繰り返すことで再生や不死の象徴とされ、人々の興味を惹きつけてきました。しかし、そんな蛇にはかつて”足”が生えていたことをご存じでしょうか?最新の研究から、蛇の進化の過程で驚くべき変化を遂げたことが明らかになっています。今回は、絶滅した蛇「テトラポドフィス」の化石から見えてきた進化の秘密について詳しくご紹介します。
引用元情報
- GIZMODO: Look at This Extinct Snake’s Little Arms and Legs
- ScienceDirect: Aquatic adaptations in the four limbs of the snake-like reptile Tetrapodophis
- Science.org: A four-legged snake from the Early Cretaceous of Gondwana
四肢を持つ蛇「テトラポドフィス」の発見
2015年に発表された研究では、ブラジルで発見された約1億5000万年前の化石から、四肢を持つ蛇「テトラポドフィス(Tetrapodophis)」が明らかになりました。この蛇は体長約20センチで、小さな前肢と後肢を備えていました。
研究チームは、この化石が蛇の祖先にあたる可能性が高いと結論付けています。特に四肢の形態が遊泳や地中を掘るために適応していたことが示唆されており、蛇がどのように現代の無足の姿に進化したのかを理解する重要な手がかりとなっています。

水中生物から陸上生物への進化の過程
ScienceDirectの論文によると、テトラポドフィスの四肢は水生環境に適応していた可能性があります。一方で、Science.orgの研究では、陸生環境での活動にも適応していたと指摘されています。
この二つの説は、蛇が進化の過程で水陸両生の特徴を持っていたことを示しています。その後、蛇は四肢を退化させることで、より滑らかに移動できる形態へと進化しました。これは捕食や生存戦略として有利に働いたと考えられています。
現代の蛇に見る進化の名残
現在の蛇にも、進化の名残として小さな骨片が残されています。例えば、ボアやニシキヘビには後肢の痕跡が骨格内に存在します。これらは祖先が四肢を持っていた証拠と考えられています。
また、DNA解析からも蛇とトカゲが共通の祖先を持つことが示されており、四肢を失う過程は自然選択による適応進化の一例として注目されています。

2025年の巳年にちなみ、蛇の驚くべき進化の歴史を探ることで、自然界の不思議や生命の多様性に目を向ける機会を提供しました。四肢を持つ蛇「テトラポドフィス」の発見は、進化の過程を示す貴重な証拠であり、今後さらなる研究が期待されています。
現代の蛇たちがどのようにして今の姿に至ったのかを考えることで、自然界の奥深さを感じることができるでしょう。2025年の巳年にふさわしい話題として、ぜひこの進化の物語を語り継いでください。