米国の中間選挙は2026年11月3日(火)が投票日です。ニュースを見ていた私は、「投票が終わる時刻は全国そろって同じだろう」と思い込んでいました。ところが州ごとの投票時間を調べてみると、日本時間では締め切りが朝から昼にかけて順番に来ることが分かりました。
この記事では、米国の投票終了時刻が州で違う理由を、時間帯(タイムゾーン)の仕組みから整理します。誰が勝つかの予想は書きません。確かめられた資料の範囲で、日本時間の何時ごろに何が起きるのかを並べます。2026年11月時点の内容です。
- 米国の連邦法が決めているのは選挙の日付で、投票時間は州ごとに違う
- 米国と領土には9つの標準時帯があり、本土は東部・中部・山岳部・太平洋の4つに分かれる
- 11月3日の投票終了は、日本時間の4日朝から午後にかけて、約6時間の幅で順番に来る
- 米国は11月1日に夏時間が終わったばかりで、日本との時差は夏より1時間広い
- 投票の終了時刻と結果が分かる時刻は別。時刻表だけで結果の早さは読めない
投票日は全国で同じ日でも、投票が終わる瞬間は同じではない
連邦法が決めているのは日付だけ
連邦議会の下院議員を選ぶ選挙日は、合衆国法典の第2編第7条に書かれています。条文は「11月の第1月曜日の次の火曜日を、偶数年の選挙の日とする」という内容です。なぜ火曜日になったのかは、米中間選挙の投票日はなぜ火曜日なのかの記事で書いています。
この条文が決めているのは「何日か」であって、「何時から何時まで」ではありません。投票所を開く時刻と閉じる時刻は州が決めていて、The Green Papersの2026年の一覧を見ると、州によって幅があります。たとえばバーモント州は朝5時から夜7時まで、ニューヨーク州は朝6時から夜9時までです。
同じ「夜8時」でも、場所が違えば世界のどの瞬間かが変わる
「夜8時に閉める」と決めている州が複数あっても、東部の夜8時と太平洋側の夜8時は別の瞬間です。私は、締め切りが同じ時刻に見えるのは現地の時計の数字が同じだからで、世界時で見ればばらばらだという点を、最初は取り違えていました。ここが今回の記事でいちばん伝えたいところです。
日本時間で並べると、締め切りは約6時間かけて順番に来る
主な州の投票終了を日本時間に直した表
The Green Papersの2026年の投票時間表には、各州の投票終了時刻が協定世界時(UTC)でも載っています。日本標準時は、日本が東経135度にあるため協定世界時より9時間進んでいると、情報通信研究機構(NICT)が説明しています。この2つを使って、主な州の終了時刻を日本時間に直しました。
| 州 | 現地の終了時刻 | 協定世界時(11月4日) | 日本時間(11月4日) |
|---|---|---|---|
| インディアナ・ケンタッキー(東部側) | 午後6時(東部標準時) | 前日23:00 | 8:00 |
| ジョージア | 午後7時(東部標準時) | 0:00 | 9:00 |
| ペンシルベニア | 午後8時(東部標準時) | 1:00 | 10:00 |
| アリゾナ | 午後7時(山岳部標準時) | 2:00 | 11:00 |
| ネバダ | 午後7時(太平洋標準時) | 3:00 | 12:00 |
| カリフォルニア | 午後8時(太平洋標準時) | 4:00 | 13:00 |
| アラスカ(大部分)・ハワイ | アラスカ午後8時/ハワイ午後7時 | 5:00 | 14:00 |
| ※The Green Papersの投票時間表(協定世界時)を、日本時間=協定世界時+9時間で計算した表。カリフォルニア・アラスカ・アリゾナは同表で「reportedly(報じられている)」と注記された時刻。実際の投票所の閉まる時刻は自治体の案内で確認してください。 | |||
計算:インディアナ・ケンタッキー東部側の協定世界時23:00に9時間を足すと翌日の8:00。アラスカ・ハワイの協定世界時5:00に9時間を足すと14:00。14-8=6で、最初と最後の差は6時間です。
8時から14時まで、日本では朝から午後の仕事中に当たる
表のとおり、最初の締め切りは日本時間の朝8時で、最後は午後2時です。通勤時間帯から昼休みをはさんで午後まで、数時間ごとに別の州の投票が終わっていく形になります。
海外のニュースを見るとき、時差を計算して日本時間に直していますか?
- いつも計算する
- ときどき計算する
- あまり気にしない
- 海外のニュースは見ない
米国には9つの標準時帯があり、本土は4つに分かれる
9つの時間帯の名前と、協定世界時との差
米国運輸省の統計局が公開しているデータは、米国とその領土をおおう時間帯を9つとしています。大西洋、東部、中部、山岳部、太平洋、アラスカ、ハワイ・アリューシャン、サモア、チャモロの各時間帯です。協定世界時との差は、米国海軍天文台の表で次のように示されています。
- 東部標準時(EST)は協定世界時より5時間遅い
- 中部標準時(CST)は6時間遅い
- 山岳部標準時(MST)は7時間遅い
- 太平洋標準時(PST)は8時間遅い
- アラスカ標準時(AKST)は9時間遅い
- ハワイ・アリューシャン標準時(HST)は10時間遅い
連邦議会の選挙区がある本土の州は、東部・中部・山岳部・太平洋の4つの時間帯に入ります。ここにアラスカとハワイが加わるので、日本時間で見る締め切りの幅が広くなります。
時間帯は1918年の法律から始まり、1966年の法律で夏時間がそろった
海軍天文台の説明では、時間帯が米国の法律に定められたのは1918年3月19日の法律(標準時法)が最初です。その後、夏時間の始まりと終わりの日を全国でそろえる統一時間法が1966年に成立しました。現在は米国運輸省が時間帯と夏時間を管理しています。
日本との時差は、東部標準時を基準に計算する
計算:日本は協定世界時+9時間、東部標準時は協定世界時-5時間なので、9-(-5)=14時間の差です。太平洋標準時は9-(-8)=17時間、ハワイは9-(-10)=19時間です。
東部の午後8時は、日本ではちょうど14時間後の翌朝10時になります。ペンシルベニア州の締め切りを日本時間10:00としたのは、この計算です。
夏時間が終わった直後の選挙なので、日本との時差が夏より広い
夏時間は11月の第1日曜日に終わる
合衆国法典の第15編第260a条は、夏時間を「3月の第2日曜日の午前2時に始め、11月の第1日曜日の午前2時に終える」と定めています。2026年11月の第1日曜日は1日です。
計算:2026年11月1日が日曜日なので、11月3日の投票日は夏時間が終わって2日後です。夏時間中の東部夏時間は協定世界時-4時間で、日本との差は9-(-4)=13時間。標準時に戻った11月3日は14時間になります。
同じ現地の締め切りでも、夏と秋で日本時間が1時間ずれる
夏時間のあいだに行われる予備選挙の記事を読んで、「午後8時終了は日本時間の朝9時」と覚えている方は、秋の中間選挙では1時間後の10時になる点に注意してください。夏時間の仕組みそのものは、EUのサマータイムはなぜ廃止されないのかの記事で、EUの例を使って説明しています。
1つの州の中で時間帯が分かれる場合もある
インディアナ州とケンタッキー州は東部と中部にまたがる
The Green Papersの表では、インディアナ州とケンタッキー州は、東部側の投票終了が午後6時(東部標準時)、中部側が午後6時(中部標準時)と二つ書かれています。中部側の午後6時は東部より1時間遅いので、州のなかでも終了が一斉ではありません。
同じ表には、報道機関はその州の投票所の大半が閉まる東部の午後6時を、その州の締め切りとして扱うという注記があります。ミシガン州も、東部と中部の二つの時間が載っています。
アラスカ州の西のはしは、さらに1時間遅い
アラスカ州の大部分はアラスカ時間ですが、アリューシャン列島の西側(ウムナク島より西)はハワイ・アリューシャン時間に入ると、同じ表に書かれています。
計算:同じ表では、この地域の終了は協定世界時の6:00。9時間を足すと日本時間で15:00になり、アラスカの大部分より1時間遅くなります。
日本から結果を追うときの、時刻の読み方
朝から昼までは、東部の州の動きを見る時間帯
私はコーヒーを入れてニュースを開くとき、いつも日本の時刻に頭の中で置き換えるのに少し手間取ります。そこで、表の考え方を次のようにメモにまとめておくと迷いません。
- 日本時間の朝8〜10時台は、東部の州(インディアナ・ジョージア・ペンシルベニアなど)の投票終了の時間帯
- 11〜12時台は、アリゾナなど山岳部と、ネバダなど太平洋側の州
- 13〜14時台は、カリフォルニア州、アラスカ州、ハワイ州
表を使う前に、2つの前提を確かめる
1つ目は、表の終了時刻が「州内で最も遅い投票所」を基準にしているとは限らない点です。The Green Papersには、投票所によって開く時刻や閉まる時刻が違う州があると注記されています。2つ目は、カリフォルニア州などの時刻に「reportedly」と書かれている点で、同じ表のなかでも確実さに差があります。表の時刻は目安にして、確実に知りたいときは州の選挙管理当局の案内を見てください。
投票の終了時刻から読み取れないことと、注意点
終了時刻は、結果が分かる時刻とは別
投票所が閉まる時刻は、あくまで投票が終わる時刻です。結果がいつ分かるかは、この記事で確かめられていません。表の時刻を「結果が出る時刻」として読まないでください。The Green Papersの注記でも、アラスカ州について、報道機関は現地午後8時を過ぎると結果を予測できる状態として扱う、とされています。結果を誰がいつ発表するかは別の話です。
この記事で確かめられなかったこと
各州の郵便投票の扱い、開票の進み方、報道各社の予測の出し方は、この記事では確認していません。選挙の結果や政治的な評価は書いていません。最新の状況は、各州の選挙管理当局と報道機関の発表で確かめてください。
どの時刻の表を見るかの判断基準
目的別に、見る時刻を決める
日本から米国の選挙を見るときの目的は、人によって違います。次のように分けて考えると、時刻表のどこを見ればよいかが決まります。
- 大まかな流れを知りたい方は、東部の締め切りが集まる日本時間の朝8〜10時台と、最後の14時台だけ覚えておく
- 気になる州がある方は、その州の時間帯を調べ、協定世界時に9時間を足して日本時間にする
- 仕事や授業で見られない方は、投票終了の時刻より、報道各社の結果の記事が出る時刻に合わせる
日本との時差の計算は、先ほどの「9-(-5)=14」のように、日本の+9から相手の差を引くだけです。この計算を知っていれば、他の州や、他の国の選挙にも使えます。
よくある誤解
米国の投票は、全国で同じ時刻に終わりますか?
同じ時刻には終わりません。連邦法が決めているのは選挙の日付で、投票時間は州が決めています。さらに米国には9つの標準時帯があるので、現地の時計が同じ午後8時でも、世界の中の時刻は異なります。
日本との時差は、年間を通して同じですか?
同じではありません。米国には夏時間があり、11月の第1日曜日に終わります。日本は夏時間を使わないので、動くのは米国側です。
計算:東部では夏の9-(-4)=13時間から、標準時に戻ると9-(-5)=14時間に広がります。
東部の午後7時に閉まる州は、西部でも午後7時ですか?
州によって違います。たとえばジョージア州は午後7時(東部標準時)で、ネバダ州は午後7時(太平洋標準時)です。州の名前と時間帯の両方を見ないと、日本時間は決まりません。
計算:ジョージアの終了は協定世界時の0:00、ネバダは3:00で、3時間離れています。
まとめ:米中間選挙の投票終了は、日本時間の朝8時から午後2時まで順番に来る
米国の選挙日は連邦法で決まっていますが、投票時間は州が決め、国内には9つの標準時帯があります。そのため、11月3日の投票終了は、日本時間の4日朝8時の東部側から、午後2時のアラスカ州・ハワイ州まで、約6時間かけて順番に来ます。米国は11月1日に夏時間が終わったので、日本との差は、東部標準時を基準に先ほどの式で計算できます。
表の時刻は投票が終わる時刻で、結果が分かる時刻ではありません。見たい州の現地時刻に日本との差を足して、日本時間に直してから見ると、一日の流れをつかみやすくなります。
この記事の内容、読む前から知っていましたか?
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- なんとなく知っていた
- 初めて知った
- 誤解していた
📚 参考文献・出典
- ・Legal Information Institute「2 U.S. Code § 7 – Time of election」 https://www.law.cornell.edu/uscode/text/2/7
- ・Legal Information Institute「15 U.S. Code § 260a – Advancement of time or changeover dates」 https://www.law.cornell.edu/uscode/text/15/260a
- ・米国運輸省 NTAD「Time Zones」(data.gov) https://catalog.data.gov/dataset/time-zones
- ・米国海軍天文台「U.S. Time Zones」 https://aa.usno.navy.mil/faq/us_tzones
- ・The Green Papers「2026 Polling Hours」 https://www.thegreenpapers.com/G26/PollingHours.phtml
- ・情報通信研究機構(NICT)「日本標準時」パンフレット https://www.nict.go.jp/pamphlet/TS_j-panf.pdf
📖 この記事について 本記事は、米国の選挙制度と時間帯の“仕組み”を知るための読み物です。選挙の結果や政治的な評価を示すものではなく、投票時間や制度は変更されることがあります。最新の情報は各州の選挙管理当局と報道機関でご確認ください。









































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